昭和史 1926-1945 (平凡社ライブラリー)
半藤 一利
平凡社
売り上げランキング: 1,344
昭和史 戦後篇 1945-1989 (平凡社ライブラリー)
半藤 一利
平凡社
売り上げランキング: 2,008

毎日何かしら本は読んでいるのですが、すっかり本関連のエントリは更新がご無沙汰に。(^^;
とても有名な著書なので今更感がありますが、改めて。

若いころはなんちゃってバックパッカー状態でヨーロッパを中心にまわっていました。
アジアほどではないですが、ヨーロッパでも日本人だと言うと
戦争の話などを振られることもボチボチあったりして
好意的な感じであれば良いのですが、そうではないことも多くあったり・・・
中でも一番忘れられないのはロンドンのローカルなパブで出会ったおじいさん。
若いころに日本軍の捕虜になっていたそうで
最後は和解したものの、日本人だと言うだけでかなりキツイ思いをしました。
(要は水をぶっかけられたのですけど・・・;)

ここ数年はアジア、中華圏を中心にまわることが多く
ロンドンのパブであった出来事ほどキツイ思いはすることはないものの
日本が行ってきた跡を目にすることも増え
特に各地で現地の友人ができればできるほど
日本人として知らないというのはまずいんじゃないか?と思う気持ちが強く・・・

この本はその昭和、日本の近代史を分かりやすく説明していると思います。
近代史の講義という形態をとっているため、語り口調で柔らかく
大まかな流れに沿って理解していくことができます。
歴史って流れがわからないと本当に理解が難しいのですが
そういった意味ではとても分かりやすく、秀逸な本だと思います。

歴史について教科書問題といったことや
日本は嘘は教えていないけれど(実際は都合よく変えている部分もあると思いますが)
大事なことも教えていないと私は思います。
歴史というのはその時代の強者が作るものであったり
当時と価値観も変わってきていることもあり
実際にその場で見て体験しても正確に理解できるかというと、できないものだと思いますが
やはり日本人として何があったのか、どうだったのかは理解しておくべきだと思います。
そして、その歴史から真摯に学んで、未来に活かすことも。

この本(というか著者の方?)には色々な評価があるようで
右な方からは自虐史観だとか、史実に沿っていないといった批判もあるようです。
確かに日本は本当に情けない、酷い戦争を仕掛けたという論調で進んでいきますが
私はそれに違和感はありません。
著者は戦中に生まれて、戦後を生きてきた人間として
日本の行ってきたことをそう認識したというのも事実です。
大事なのは当時の価値観との違いやその時代を過ごしてきた人がどう思い、判断しているのか
自分とは違う(としたら)考えを理解し、それも1つの考えとして尊重すべきだと私は思います。

一部のマスコミや報道、右の方による日本は悪くなかった的な論調も
かつてはそうなんだ・・・と読み漁って、戦争に負けると何でも悪くなってしまうんだなとか
東南アジアの多くの国では感謝されているのに、どうして一部の国だけ反日なんだろうとか
そう思っていた時期もありました。
でも、実際には都合の悪いことを報道していないだけで
東南アジアで日本に感謝しているのは一部の国だけですし日本が嫌いな国も結構あります。
親日だと言われている国であっても、実際に行くと結構違います。
そして「反日の国」に対して酷いことをしたのは事実でもあります。
もちろん細かい部分の認識の違いはありますが、やったことはやったこと。
見たくないものは見ずにいってしまっては未来に対して何の進展もないのではと私は思います。

あの戦争と日本人 (文春文庫)
半藤 一利
文藝春秋 (2013-07-10)
売り上げランキング: 68,440

昭和史に続いて是非読んでいただきたいなというのがこちら。
分かりやすさはそのまま、流れるようにその後の日本の様子が分かります。
人がいかに流されやすく熱狂しやすかったのかということも含めて。

この著者の幕末史も読んで見たいと思っています。