さいごの戦い
C.S. ルイス C.S. Lewis 瀬田 貞二
岩波書店 (2000/11)
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読み終えてみると
この物語がいかに素晴らしいものであったか
という事が実感できます。
大人になって読み返してみて良かったと思いました。

戦争の描写(というのとは若干違う気もしますが)が
シリーズ全体にちらほらとあるものの
この巻ではかなり多く出てきます。
死というものが現代のファンタジーに慣れている私にとっては
ぎょっとしてしまう感じはあります。
言葉を話す動物(けもの?)について言及した時と同じく
当時の感覚との違いが
大人になって読み返す事で感じることが出来ました。
歴史の様なものですね。

先日、日本の近代史について疑問を持って
自分なりに色々と本を読み漁ったのですが
その時に出た結論の1つが
歴史というのは事実にだけではなく
その時代の価値観によって
その事実が正しいかそうではないかが判断される
という事でした。
それぞれの時代によってその価値観は変化します。
その当時のイギリスの価値観という物の一端を感じる事が出来た気がします。

巻末のあとがきにもありましたが
このナルニア国物語はキリスト教の世界観を強く反映しているそうで
それについての批判を今回の映画化に伴ってか雑誌上で見る事が多くあります。
日本だとそれほどではない様ですが
イギリスなどの新聞や雑誌だとかなり多かった様で
キリスト教徒がそれだけ多いと関心も強いのでしょう。
当然、現代のキリスト教義に対する解釈と当時のそれは違う訳ですが
それを理解せず「批判」を繰り返すのは
見ていてあまり気分の良いものではありませんでした。
当時を知る事への楽しみにはならないんでしょうか。
中には「これを子供に恐ろしくて見せられない」なんて内容もありましたが
(確かGuardianだったかなぁ)
宗教が生活のかなりの部分を占めていたと思われる当時と違い
刺激の多い現代の子供(一部地域は該当しないと思いますが)は
そこまで考えてなんかいないと思います・・・(^^;
もっと純粋に楽しむのではないかなぁ。
#というのは私が無神論者だから言える事なのかもしれません。
#(正確には八百万の神様信者ですが)

まぁこのあたりは映画配給会社だか教会だかが
今回の映画を宗教活動に利用した事に端を発してるのかもしれません。