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This article was written on 21 7月 2008, and is filled under books, 日本人著者.

クライマーズ・ハイ

クライマーズ・ハイ (文春文庫)
横山 秀夫
文藝春秋
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日本航空123便墜落事故というのは、少なくとも私にとって非常に印象の強い事故です。

まだ子供だった頃、
夏休み中、しかも、自分の誕生日に近いという事で浮かれていた自分にとって
深夜まで続く「良く分からない」事故に関する映像が流され続けたテレビは
分からないながらも強い恐怖感と「震撼」という感覚を当時の私に覚えさせるに十分なものでした。
知人がこの事故に巻き込まれたというのも、その恐怖を強める原因となっていたと思います。

映画館で、この小説の映画化が告知されていたのを見て
このような小説があるのを知って、手に取りました。
著者自身が元記者というのもあると思います。
この小説にとって不必要な凄惨な描写は出ていません。
しかしながら、事故の凄惨さは十分に伝わってきます。

止まらなく、一気に読みました。
面白いのですが、「面白い」という言葉で括ってしまってよいのか
非常に抵抗を感じます。

「クライマーズ・ハイ」という言葉と作中の新聞記者としての登場人物達の感覚。
この「クライマーズ・ハイ」という言葉が非常に重いテーマを持っている事に
読み終わってしばらくたってから気が付きました。

情報を発信する人には是非一度読んで欲しいと思います。
そして、純粋に日本航空123便墜落事故を知る人にも、知らない人にも読んで欲しいと思う本です。

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