ヒラリー・クリントンによって採用され、
ホワイトハウスの総料理長になったWalter Scheibの回想録です。
別にヒラリー・クリントンが好きな訳でも
(どちらかというと生理的に受け付けられないかも)
アメリカの政治に興味があるわけでもなく
単純にホワイトハウスの食事はどうなっているのか?という好奇心から手に取りましたが
予想以上に面白く、あっという間に読みました。
ホワイトハウスでは公式行事などの食事にフランス料理でもてなしをしていたそうですが
ヒラリー・クリントンはそれには納得せず
もてなしの為のアメリカ料理を出したいと希望し、著者を採用するに至ったそうです。
今までの習慣を破り、新しい試みにクリントン氏と共に取り組む著者の話、
その後、政権が変わり、ブッシュ氏がホワイトハウスの主となってからの食の変化など
かなり面白く読めます。
まさに台所事情といった感じです。
政治的な話などは全く出てこないのも好感がもてます。
そして、所々にレシピも掲載されていて
あまり馴染みの無い、良い印象の少ないアメリカ料理ですが
そのうち試してみようかと思うものもちらほらあります。
amazonのコメントにもありましたが、巻末の解説が残念です。
本書は政治について触れていないのに
無理やりに政治に当てはめて解説していて
折角の楽しい読後感が台無しにされた様な・・・
本書は政治色の強い舞台において
政治に触れず、人、特に「食」にフォーカスして
1個人の見た事を描いているからこそ面白いのだと思います。
それを無理に政治に当てはめてしまっては台無しと思うのですが・・・
解説者に政治ジャーナリストを選んだ編集の失敗だと思います。
それだけが残念でした。