書店店頭で見かけて面白そうと思って手に取りました。
宮内庁管理部大膳課にお勤めになっていた著者が
食を通して昭和天皇を回顧している内容になっています。
大膳の方々がいかに心と手間を尽くして
昭和天皇や皇族、国賓の方々をもてなしているのか
その部分だけでも想像以上でした。
限られた予算内でやりくりし、陛下の健康を気遣い、
プロの仕事の一部を垣間見た感じがします。
また、所々に紹介されている陛下の様子も微笑ましく、
昭和の時代が懐かしく思えたりしました。
父の仕事の関係で、昭和天皇の頃にお裾分けを頂いた事が何度かありました。
クリスマスは七面鳥のローストだったり・・・
頻繁ではないですが、いつもとても美味しかったのを覚えています。
子供だった私は
天皇陛下はいつもこんな美味しいものを食べていらしゃるんだなぁ
なんて思っていました。
#誰かが毒を仕込んでいたら死ぬのは私かもと思ったりしたのは内緒です。(笑
実際はとても質素なお食事を好まれていたとの事で
子供の頃のイメージと随分違う、陛下の様子には色々な意味で感慨深いものがありました。
著者が本当に陛下を敬愛されていたのが、読んでいて良く分かります。
私にとってはとても面白い本でしたが、
それは著者のその「気持ち」が伝わってくるからかもしれません。
読み終わってとても優しい気持ちになりました。