死因不明社会 (ブルーバックス 1578)
海堂 尊
講談社
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ブラックペアンまで勢いで読んだので、この本まで一気に読んでしまいました。

同じ著者ですが、これは小説ではなく、死亡時医学検索に関する本です。
何とバチスタ・・・などの一連の作品は、
この死亡時医学検索の重要性を訴える為に書かれたとの事で驚きました。
凄い戦略ですね。尊敬。

Autopsy Imaging(剖検前画像診断)の有効性を中心に展開されています。
一連の小説を読んでいると度々出てきた言葉ですが
この本を読むまでは、それほど深く考えたりはしていませんでした。
が、この本を読んでその重要性に目からウロコが落ちたという感じ。
医学に興味の無い方にも(私も無いんですが;)お勧めです。
非常に良い本だと思います。

この本を読んでいて驚いたのは
現在の日本の解剖率は2%程しか無いという事。
体表からの判断による死亡診断が行われ、
その死亡診断の殆どが正しくない(誤った死因)という事。
最も驚いたのは、この解剖率の低下=医療に対する監査が無いor機能していない
という事でした。

何かしらの行動に対して
その成果と効果を測定するといった事は当然行われるべきですし
日々当たり前の様に行っていると思っていました。
成果と効果を測定ことなしに発展も改善も出来ないですから。
しかし、医療に関しては行われていない事が殆どの様です。
確かに思い当たるふしはあります。

我が家の鳥たちが主治医である獣医師の治療を受ける時には
投薬にしても処置にしても
効果と副作用など、質問を納得いくまでさせて頂いています。
(これに付き合えない獣医師は信用できません。)
また、少しでも死因に不明な部分がある場合は解剖して頂いています。
これは獣医師の方にその情報を次回にフィードバックしてもらいたいという事と同時に
私自身の飼育管理に改善すべき部分があるのかどうかの検証という意味もあります。
#もちろん、鳥とはいえ、自分が家族として愛していた者を解剖するのは
#感情的には嫌ですし、受け入れがたい部分はあります。

これが我が家の鳥たちが治療を受ける際に「当然の事」としているのですが
確かに人医の場合は気にしてなかったです。
この意識の差って何だろう?と考え始めたのですが
人に対する医療は完成されているものだという意識が勝手にあったんですね。多分。
治療を受ける側もこの意識なんですから・・・まずいですよね。

他にも厚労省の姿勢なども説明されていて
今後、自分自身が治療を受ける際の考え方が変わりそうです。
(ていうか変わりました。)
取り合えず、私が死亡した際にはきちんと死亡時医学検索してもらおうと思います。

この著者は以前から好きなのですが、
この著作に出てくる言葉で、その理由が分かりました。

無知は罪である。

これは私が10代の子供の頃から自分に言い聞かせて来た言葉です。
同じ考え方をしている人に出会えた感じで
何だか嬉しくなってしまいました。(^^ヾ

この本とリンクした内容の著者によるブログが日経メディカルオンライン内にあります。
医療関係者向けですが、門外漢でも面白いです。

海堂尊の「死因不明でいいんですか?」