中学生の頃からカミュ、特に異邦人が好きで繰り返し読んでいます。
元々情緒に欠陥というかそんなものを持っている子供であったのか
自分の大好きだった祖父が亡くなった時のお葬式で
周りの人の様に涙を流すことが出来ませんでした。
本人としては
いなくなってしまった
という事実が実感的なものとして理解出来ない
受け入れられない
というのがその理由なのですが
周囲の大人からは冷たい子だと言われたのを覚えています。
異邦人の趣旨とは少し違うとは思うのですが
ちょうどその頃この本と出会って
主人公のムルソーの気持ちが分かるような気がして
というより
自分の気持ちを分かってもらえる気がして
なんだか嬉しいというより安心感を覚たのを記憶しています。
感情が回避行動をとるというか
麻痺するというか・・・
そんな感じがします。
#多分大多数の方のこの小説に対する解釈と違うと思うんですが;
そんな理由で初めて読んだ時から
かれこれ20年以上経ちますが
ずっと気に入っています。
実際ここまで長い期間気に入っている
(大好きというのとはちょっと違いますが)
多分一生そうであろう本にめぐり合えた事は
幸せな事なんだろうと思います。
当時と表紙デザインが変わってるみたいですね・・・