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This article was written on 15 1月 2007, and is filled under books, 日本人著者.

螺鈿迷宮

螺鈿迷宮
螺鈿迷宮

posted with amazlet on 07.01.14
海堂 尊
角川書店
売り上げランキング: 2016

他にも読まないといけない本があるのに何故か手にとってしまいました。(^^;
時間が無いせいもありましたが、一晩で読んでしまったので
面白かったんだなぁと後から納得。(^^;

どうしてもチーム・バチスタの栄光と比べてしまいますが
ナイチンゲールの沈黙よりも面白く、チーム・バチスタの栄光未満という感じです。
物語のテンポや不定愁訴外来の田口医師、厚労省の白鳥技官のコンビネーションに対して
若干の物足りなさを感じますが(バチスタの方が良すぎたのかも)
全体的にはかなり面白くて、気がついたら引き込まれていました。

ストーリーの面白さとは別の意味で
医療について色々と投げかけているのも特徴な気がします。

終末医療やインフォームドコンセントについて・・・
特にインフォームドコンセントに関しては
たまたま考える機会もあった事もあり
何だか色々と考えてしまいました。
実は人医よりも獣医の方がしっかりしているんじゃないかとか。(^^;

物語の中で皮膚科のお医者さんに扮した白鳥技官が
「皮膚病スーパーアトラス」を患者に見せながら診断、処置していく場面があるのですが
それは極端としても(^^;
結構いいかもと思ったりしました。
私の場合は実際に病院へ行っても、
お医者さんに「@@という病気ですね」という診断を受けて、
薬を処方される、あるいは処置を受ける
という経験しかありません。
それに比べると私が信頼している獣医師の場合は
納得いくまで、場合によっては絵や図を描いて話し合って
理由や根拠をしっかり説明した上で病気の特定をしたり
検査、治療を行う際には事前にそのリスクと利点を教えていただき
お互いに十分納得、合意した上で行います。
こちらが感じている疑問にも徹底的につきあって頂いて
場合によっては「分からない」とも正直に回答して頂いています。
要するに信頼関係がきちんと築かれた上で(盲目的に信じるのではなく)合意してからです。

人医と獣医を単純に比較するのは結構乱暴ではあります。
物を話せない動物達が対象であったり、完全自由診療なので
獣医の方が驚くような対応や処置をしている場合も多く知っています。
平均的なものを比べると人医の方がきちんとしていると思いますが
きちんとインフォームドコンセントを行っている獣医は何人か知っていても
そういった人医は一人も知らないんですよね・・・
単に運が悪いのか病院選びが間違っているのか・・・(^^;;;
と書きながら結局はその人自身によるものなんだろうと思いますが・・・

普段はあまり考えることのない医療の問題点?について
色々と考えるきっかけにもなる本でした。(^-^

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