課題・仕様・設計—不幸なシステム開発を救うシンプルな法則
酒匂 寛
インプレスネットビジネスカンパニー (2003/11)
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とある所で偶然この本の話になり
以前から一度読まねばと思いつつそのままだったので
これも良い機会と思って手に取りました。

お酒友達という名の先生であるardbeg1958さんの著作です。

上流工程について書かれている本というのは
正直な所、まぁけっこう見かけます。
書店に並んでいるそれらが使いやすいかというと
(分かりやすいという意味ではないです)
それはちょっと違うと思っています。
実際にその工程を担当する事になった時に直面する問題に
どう適用できるのか
そして改善できるのか
という答えが知りたくて手に取るのですが
この答えをもたらしてくれる本というのは
実は数少ないのではないかと思っています。
殆どの本は理想を述べているだけで
じゃあ理想に近づくためには具体的にどうしたらいいのか?
という事が記述されていない様に思います。
私にとってそういった具体的な答えをもたらしてくれる本というのは
名著
と呼ばれる事の多い
主に外国人の方が記述した書籍の翻訳物だったりする事が殆どです。
ですので日本の方が記述した書籍に期待というものはあまり無くなっていました。

で、この本ですが
答えをもたらしてくれる本を日本の方が著述している
という事実に非常に驚きました。
更に言えば、著者を存じ上げているという事実にも。(^^; *1

具体的に例を挙げて言うならば
文中に頻繁に出てくる表(意識して使われていると思います)はすぐに実務に導入できますし、
表自体も必要最低限にして非常に分かりやすいシンプルなものですが
実はこういうシンプルな表1つでも実際に考え出すとなると
そのレイアウト等をそれなりに考えなくてはなりません。
またそれらの表をどのように活用していけばいいのかという答えも分かりやすく
理想の定義ではなく実務的な内容であると思います。

今の私にとって嬉しかったのは
システム仕様を定義する際に誤解を与えたくない肝の部分を
プログラム的な記述をする事で回避するという内容がありました。
丁度現在のプロジェクトで同じような事を考えて
そのような記述で仕様をまとめていたのですが
お客様に日本語の文章的な表現をして欲しいと却下されてしまい
何でさ?
と思っていました。
本中のその部分の記述が偶然とはいえ
自分が却下されたものとかなり近いものであったので
嬉しく思うのと同時に自信を持ちました。(^-^

私にとってだけかもしれませんが
残念な部分としては
OCLとVDMの説明の前に基礎知識準備として数学の集合等の説明が出てきます。
ご存知の方も多いと思いますが私は数学が物凄く苦手でした。
もう逃げまくってた位です。(^^;
なので集合とかの記号が出てきてもさっぱり意味不明です。(おぃ
それが

ごくごく初歩的なものです。

という一言でかなりの部分が終わっていました。*2
集合等について自己学習してから再チャレンジという事で
OCLとVDMのの部分はかなりすっ飛ばして読みました。*3
そのあたりの説明がもっと欲しかったです。
自分だけかと思いますが。(^^;

あとは書面レイアウトがもう少し見やすければ嬉しかったです。
ちょっと読みつかれてしまうレイアウトかと・・・・*4

とはいえ、もう一度読み直したいと思う本です。
しかしながら読んでいるとご本人とお話している様で妙に緊張する本でもあります。(笑

*1 そして出された宿題をすっぽかしているという事実にも。(おぃ
*2 まぁご本人とお話していると難しいことをさらっとおっしゃる事が良くあります。
*3 とはいえ、昨夜ご本人にお会いした際にVDMを教えて頂いたのですが、
  すっとばしたとはいえ、酒を飲んでいたとはいえ、物凄い新鮮な気分で聞いておりました。(反省
*4 違った要因で読みつかれていたのかもしれません。(謎