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ジェフリー・アーチャー 日本を糺す

ジェフリー・アーチャー 日本を糺す
ジェフリー アーチャー Jeffrey Archer 永井 淳
講談社 (1993/01)
売り上げランキング: 336182

アーチャーの小説ではなく、雑誌に連載されたコラムを単行本化したものです。

彼の得意とする政治を中心に日本を見てのコラムになっています。

出版年が1993年と随分古いので
登場する当時の首相は宮沢さんだったりと
随分懐かしい名前が並んでいますが
こうして読んでみると、
全然日本の政治体質というのは変わっていないようです。
ある意味でショックですね。
むしろ悪化している気もしますし・・・

アーチャーの本という事で手に取りましたが
毒舌家として有名な彼の著書だからか
日本人として耳の痛い事も大量に指摘されています。

特に興味深かったのは
外国人から見ても日本の政治家は金まみれという事と
某野党(今は名前が変わっていますが)は
与党に反対するための党となっていて
具体的な政策を挙げずに反対だけを繰り返しているという指摘でしょうか。
更には、日本の首相は誰が就いても同じ、経済には影響しないという事も。
先日の安倍首相の突然の辞任騒ぎで株価に影響が大きく出なかったのは記憶に新しいと共に、
日本の首相って・・・と思わされたのを思い出します。(^^;

外国人から見ても分かるのだなぁという事と
10年以上経ってもまだ同じ事の繰り返しという事もあって
時間の随分経過した今も十分面白く、痛く読めます。
むしろ今読む方がいいのかもしれないですね。(絶版本ですが;)
何も変わっていない事への危機感を改めて実感できます。

議論のルールブック

議論のルールブック (新潮新書)
岩田 宗之
新潮社
売り上げランキング: 12995

あまり内容を確認せずタイトルだけでamazonに注文してしまったので
純粋に「議論」を対象としているのかと思っていたのですが
実際はネット上の議論に対して書かれています。
思っていたのとは違ったとはいえ、全く外している訳でもなく
かなり秀逸な面白い本です。

少し前と違って、今は誰でもインターネットを利用している状態。
色々な人が気軽に利用している状態です。
とんでもない人に遭遇する事もあれば
ネットは即、外部と繋がっているという事を理解しないままの利用者
ネットだけに限りませんが、文章の恐ろしさを理解しない人など、様々です。
顔が見えない分、余計にトラブルも起こりやすい様で
その件数たるや容易に想像出来ます。

議論という認識が無くとも、
意見を交わすという行為は議論と同じ事だと思います。
それをトラブル無く、有効なモノにするための知識として
この本はかなり秀逸だと思います。

「教えてちゃん」などについても深く考察されていて
そう。そういう事なんだよ!
と激しく同意しながら読んでました。(^^ヾ

議論の定義、目的についても
納得する部分や目からウロコの部分も多く
私自身、読んで良かったと思っています。
ネットを利用する人には是非読んで頂きたいです。

著者がどのような方なのかも知らずに購入していたのですが
エンジニアの方との事。
だからなのか、その考え方が非常に馴染みやすいというか馴染みのあるものでした。
全体的に論理学に基づいて書かれている所もいいですね。
この部分についても私の中で論理学に対してのちょっとした発見を得ました。

1点、気になるのは題名にもあるように「ルールブック」である事。
議論に参加する全ての人が「ルールブック」を理解して、遵守していないといけないんですよね。
難しいですね。(^^;
まぁ、まずは自分から。という事で。

死因不明社会

死因不明社会 (ブルーバックス 1578)
海堂 尊
講談社
売り上げランキング: 706

ブラックペアンまで勢いで読んだので、この本まで一気に読んでしまいました。

同じ著者ですが、これは小説ではなく、死亡時医学検索に関する本です。
何とバチスタ・・・などの一連の作品は、
この死亡時医学検索の重要性を訴える為に書かれたとの事で驚きました。
凄い戦略ですね。尊敬。

Autopsy Imaging(剖検前画像診断)の有効性を中心に展開されています。
一連の小説を読んでいると度々出てきた言葉ですが
この本を読むまでは、それほど深く考えたりはしていませんでした。
が、この本を読んでその重要性に目からウロコが落ちたという感じ。
医学に興味の無い方にも(私も無いんですが;)お勧めです。
非常に良い本だと思います。

この本を読んでいて驚いたのは
現在の日本の解剖率は2%程しか無いという事。
体表からの判断による死亡診断が行われ、
その死亡診断の殆どが正しくない(誤った死因)という事。
最も驚いたのは、この解剖率の低下=医療に対する監査が無いor機能していない
という事でした。

何かしらの行動に対して
その成果と効果を測定するといった事は当然行われるべきですし
日々当たり前の様に行っていると思っていました。
成果と効果を測定ことなしに発展も改善も出来ないですから。
しかし、医療に関しては行われていない事が殆どの様です。
確かに思い当たるふしはあります。

我が家の鳥たちが主治医である獣医師の治療を受ける時には
投薬にしても処置にしても
効果と副作用など、質問を納得いくまでさせて頂いています。
(これに付き合えない獣医師は信用できません。)
また、少しでも死因に不明な部分がある場合は解剖して頂いています。
これは獣医師の方にその情報を次回にフィードバックしてもらいたいという事と同時に
私自身の飼育管理に改善すべき部分があるのかどうかの検証という意味もあります。
#もちろん、鳥とはいえ、自分が家族として愛していた者を解剖するのは
#感情的には嫌ですし、受け入れがたい部分はあります。

これが我が家の鳥たちが治療を受ける際に「当然の事」としているのですが
確かに人医の場合は気にしてなかったです。
この意識の差って何だろう?と考え始めたのですが
人に対する医療は完成されているものだという意識が勝手にあったんですね。多分。
治療を受ける側もこの意識なんですから・・・まずいですよね。

他にも厚労省の姿勢なども説明されていて
今後、自分自身が治療を受ける際の考え方が変わりそうです。
(ていうか変わりました。)
取り合えず、私が死亡した際にはきちんと死亡時医学検索してもらおうと思います。

この著者は以前から好きなのですが、
この著作に出てくる言葉で、その理由が分かりました。

無知は罪である。

これは私が10代の子供の頃から自分に言い聞かせて来た言葉です。
同じ考え方をしている人に出会えた感じで
何だか嬉しくなってしまいました。(^^ヾ

この本とリンクした内容の著者によるブログが日経メディカルオンライン内にあります。
医療関係者向けですが、門外漢でも面白いです。

海堂尊の「死因不明でいいんですか?」

富の未来 下巻

富の未来 下巻
富の未来 下巻

posted with amazlet on 06.07.25
A. トフラー
H. トフラー
山岡 洋一
講談社 (2006/06/08)

上巻とこの下巻の3分の1までは

知識に基づく新しい富の体制と、それを一部とする文明の勃興

について書かれています。
上巻のエントリーにも書きましたが、トフラー自身の意見とか考えで展開されるのは、かなり読み進めた後に出てきます。
前置きが長いと思いがちですが、更に読み進めていくと、この前置きは非常に重要であった、必要だった事が理解できます。

後半は

いまの形の資本主義は、革命的な富への移行のなかで生き残れるのだろうか。
国連の決議などではなく実際に、世界の貧困を根絶できるのだろうか。
最後に、知識経済の普及によって、世界の権力地図はどのように置き換えられるのだろうか。

という事を論じています。

ここに来て、一気に論が展開されます。
今までのパーツを手繰り寄せて、1つの織物を作るかの様な展開の速さと見事さです。

友人の日記に関連する様な事、「格差社会」について書かれていたので、少し脱線。(^^;
(そもそも、日記の解釈を間違っている可能性もあり。その場合はご容赦を。)

世界の貧困・・・格差は世界中どこにでもあります。
最近、日本では「格差社会」という言葉が随分と歩いている様です。
NHKや民法等で特集番組が組まれているのも度々見かけます。
正直に言えば、そういった番組の論調には同意出来ない事が多いです。
一体何のプロパガンダなのかなと勘ぐりたくなる位。
「格差社会」は経済格差だけにフォーカスされ
「下層に属する人間は努力してもほとんど報われない社会」
という意味で表現されている事が多い様に感じます。
本当にどんなに努力しても報われないのでしょうか?

報道で紹介される事例は大概が
「努力の足りない人」であったり「努力の方向が間違っている人」
であると私は認識しています。
努力を能力に置き換えてもいいかもしれません。
但し、能力とは生まれ持った才能ではなく、努力で身につけるものだと思います。
更に言えば、努力する事自体が偉いのでも素晴らしいのでもなく
結果を出せて当然というのは社会人の方なら当然認識していると思いますが
「格差社会」という言葉にかかると、それらの認識が消失する様です。

私は今、技術職に就いていますが
スタートが遅かった為に始めは本当に大変でしたし、努力しました。
技術職ですから出来て当然、理解していて当たり前なので。
一生に一度、死ぬ気で何かをやってみてもいいんじゃないか。
今やらないと一生変わらない。
という決意で、睡眠と食事以外は殆ど勉強し、
その頃の数年間は、この私が(笑)お酒も飲まずに日々努力してました。
受験勉強より頑張りましたねぇ。(^^;
その甲斐あってか、今では少しだけ息がつける様になりました。
でも今も勉強は続けています。足りないので。色々と。(^^;

自分に自信を持って「努力した」と言えますか?

六本木ヒルズの住人たちは努力をしなかったのでしょうか?
私は六本木ヒルズの住人は相当に努力していると思っています。
額に汗するのだけが努力でも勤労でも無いですし・・・
(日本はそう認識する人が多い傾向がある様な;)

私がかつて勇気付けられたMVP for Windows Server Systemを受賞された薬師寺国安氏は
40歳の時に初めてPCに触れたそうです。(現在55歳だそうです)
年齢がある程度いってしまうと、新しいことに努力しても無理ですか?

ゴーストタウンと化している我が駅前の商店街。
昔から代わり映えの無い商品を並べて客をまちうけるだけで「努力」してるんでしょうか?
(補助金目当てという場合が多いという話も聞きましたが;)

努力しているけど抜け出せないと主張するネットカフェ住人。
その努力の方向の見直しはしたのでしょうか?

彼らに、私たちに出来る事はもう何も残っていないのでしょうか?
経済格差の無い社会って社会主義社会でしょうか?

もちろん、格差が小さいに越したことは無いと思います。
格差を縮めるために国家として、個人としてするべきこと、認識すべきことがあります。
そのヒントはこの本に書かれていました。

世界は知識経済に移行しています。
単純労働は人件費の安い発展途上国には勝てません。
そのために何をすべきかといえば、
知識的付加価値を付ける労働にシフトしていく必要があります。
人によっては従来の「労働」という概念を変化させる必要があるのかもしれません。

著者は10年かけて、これらを調査し
その集大成として本書を著したそうですが
情報がとても新しく、
世界中、しかもマクロで詳細である事に
上巻に引き続いて驚きます。
本当の意味で”生きた情報”なんですね。

難解で堅そうな本なのですが
(まぁ実際に堅い本ではあります)
読んでみると意外に面白いです。
お勧めです。(^-^

富の未来 上巻

富の未来 上巻
富の未来 上巻

posted with amazlet on 06.07.25
A. トフラー
H. トフラー
山岡 洋一
講談社 (2006/06/08)

トフラーの著作を読むのは初めてです。
読む前までは難しい経済書だと思っていましたが
面白い未来の預言書の様な本です。

ここで語られる「富」とは
金銭的なものだけを指しているのではなく
人にとっての幸せを指しています。
読む前までは金銭的なものだけかと思っていました。

まだ上巻だけなので(現在、下巻を読んでます)
「富」の定義や考え方が中心で
トフラー自身の意見とか考えというものは、まだあまり出てきません。
それでも、預言書を読んでいる様な感覚で、結構はまります。

ナレッジワーカー*1を読んでいて
著者であるトーマス・H・ダベンポートが
ナレッジワーカーを取り巻く今、これからの環境を述べているのを
先が読める調査力、分析力って凄いなぁなんて事を思っていました。
その後にトフラーのこの著書を読み始めたのは
流れ的には良かったと思います。
(この2冊は主題が全く異なっていますけど。)
トフラーの方が徹底的な調査をしているのが分かりますが・・・
特に日本のお好み焼きチェーンである道とん堀の例が出たのには驚き。
日本のローカルな情報も調査している様で、凄いと思いました。

下巻を読み終えたら、また改めて・・・

IT関係の人なら、殆どの人が名前位は聞いた事があるといった位に有名なトフラーですが
実は音楽のテクノにも非常に関連があります。
wikiにも出ていますが、私の敬愛するDetroit TechnoのJuan Atkins *2
トフラーの著作に影響されて「テクノ」という名前をその楽曲につけたそうです。(^-^

*1
原題はThinking for a Living: How to Get Better Performances And Results from Knowledge Workersで2005年9月13日発行。

*2
テクノ関係の方々がwikiに出ているのにも驚き。
メジャーになったんですねぇ。昔は音源捜すのにも一苦労だったのに。(^^ヾ

今すぐ使える!コーチング

今すぐ使える!コーチング
播摩 早苗
PHP研究所 (2006/06)

脳みそを休ませたいモードで書店の新刊コーナーから選びました。
丁度少し前にコーチングについて盛り上がっていたのもありまして・・・

当たり前の事が殆どですが
意外に盲点というか
自分では気がつかなかったりするので
こういう本を読むのが実は好きですし
大事なんじゃないかなと思います。

薄いのでさらっと短時間で読めてお勧めです。

わかったつもり 読解力がつかない本当の原因

わかったつもり 読解力がつかない本当の原因
西林 克彦
光文社 (2005/09/20)
売り上げランキング: 3,093

先生ご推薦?だったので少しは頭が良くなるかと・・・(^^;

実際に読んでみると
目からウロコ
でした。

もっと早くに読んでいれば自分の人生が変わってたかもと
正直思いました。(^^;

以前読んだ思考と行動における言語では
言語の難しさと恐ろしさを再認識したのですが
この本は読むことの難しさを認識しました。
また読み手の問題ももちろんですが
書き手の問題も再認識させてくれます。

文章を扱う全ての人に読んで頂きたい本と思います。
(殆どの人が対象になるか・・・^^;)
特に学校の先生や子供をお持ちのお父さん、お母さんにお願いしたいな?
子供に文章を読み書きさせる(あるいは薦める)立場にいる方が
この様な認識をきちんとお持ちであれば
もっと文章に対する認識が変わると思うんですよね・・・

物凄くお勧めな本です。

先生。ありがとうございます。m(_ _)m

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読んだ本についての勝手な書評です。
ジャンルはあまり問わずに色々読んでいます。どちらかというと外国人著者の方が好きだったりします。
"technical books"は本職のIT関係本です。