5月 042015
 

2015年 蒙顶甘露

メーカーさんEの2015年明前 蒙顶甘露(蒙頂甘露)です。
3月20日の摘み取りです。
蒙頂山主峰の標高1200m付近の茶畑のものになります。

元々温暖な気候の四川では標高の低い場所では2月から茶摘みが始まりますが
場所によって気温の差が大きく
この蒙頂甘露のように四川にしては遅い時期に摘み取り時期を迎えるものもあります。
それでも今年は気候に恵まれたようで
四川に限らず、浙江省などでも順調すぎるほど気温の上昇があったようです。

ベースは深緑、白毫が非常に多く白と深緑が見事な色彩を作り出しています。
嫩度も高く、海苔香と花香があります。
大きさは均一、砕けも確認できません。

2015年 蒙顶甘露
鑑定杯使用

高い蘭香と栗香を感じます。
とても綺麗に出ていて、持久性も十分にあります。
亮度の高い薄い黄色の水色で、白毫で濁っています。見事な白毫です。
(写真は黄色がかなり強く出てしまっています。補正していないので;)
味わいは驚くほどに甘く優しく、ミネラル感と合わさって厚い味わいの深さが
思わずうなってしまうほどにバランスよく仕上がっています。
鑑定杯でこれだけ美味しい緑茶は凄いですね。
渋み、苦みは感じません。
現地でも今年の出来に感動しましたが、改めて感動するほど。(^^

2015年 蒙顶甘露
蓋碗使用

薄い金色の透明度の高い水色です。
目の細かい茶こしを通すと亮度が驚くほどに高くて
ちょっとした宝石のような色合いになっています。
(写真だと緑がかってしまっていますが・・・)
栗香が心地よく、そのあとに甘い蘭香が感じられます。
ミネラル感がしっかりとあって、複雑な味わい。
余韻も強く、この地域独特の喉にへばりつく様な濃厚な甘味が強く感じられます。

同じ蒙頂山のお茶でも、この甘味が感じられるものと、感じられないものがあるのですが
(低標高の茶葉には感じられないものが多いので、茶畑の位置の問題かと思っていますが)
この作り手さんの蒙頂茶はいつもしっかりと、この甘味があります。
特に今年はしっかり出ている様に感じるのですが
現地で聞いたところ、かつて龍井茶などで行われていた石灰による乾燥と熟成を
今年から取り入れたとのこと。
随分変わるのだなぁと驚かされると同時に、常に試行錯誤していく姿勢にも驚きました。
というのも、製茶機械ごと自作するんですよね・・・この作り手さん。(^^;
先日お邪魔した際にも製茶が一段落したせいか、溶接機を片手に作ってました。(笑

2015年 蒙顶甘露

とても柔らかい若草色の葉底です。
弾力も十分、肥えた芽で構成されていて、大きさも均一。
摘み方も綺麗ですね。
当然のように嫩度も高く、非常に美しい葉底です。

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 Posted by at 1:58 PM
6月 252014
 

浙江省で茶業を営む友人が作った安吉白茶です。
特二とあるので相当に良いお茶です。
一応、特一も薦められたのですが、安吉白茶に限らず大概特一になってしまうと
希少性とかそっちが優先されてしまって、味わいなどが繊細すぎて良く分からないという・・・
美味しく楽しむという観点では特二あたりが一番良い気がします。

数年前の大流行(中国)もここ最近は落ち着いて
すっかり定番の緑茶として定着してきた感のある緑茶です。
その名前から白茶と勘違いしている人も多いそうですが
(実際、中国の人でも勘違いしている人はいます;)
安吉白茶は緑茶です。
突然変異種から定着させた白叶一号(白葉一号)という茶樹品種から作られる
れっきとした炒青緑茶です。

緑黄(緑が主体の黄緑色という評茶用の色を示す言葉です)の美しい茶葉です。
一芯一葉から一芯二葉で摘み取られているようで、大きさは均一。
嫩度も高いです。
砕けも少なく殆ど確認できません。
綺麗な花香が感じられます。


鑑定杯使用

薄い黄色の水色です。
透明度、亮度共に高く綺麗に出ています。
香りは高い花香と豆香。持久性もあります。
味わいは安吉白茶独特のうまみと甘味。複雑なミネラル感も合わさって
実に上品で良いバランスにまとまっています。
回甘もしっかり。若干粘性のあるような茶質の良く出ている茶水ということもあり
余韻がしっかり感じられます。
雑味、渋味、苦味などはありません。


蓋碗使用

金色の美しい水色です。
透明度も亮度もこの上ない位によく出ています。
見事な清らかな花香。とても高くあります。
しっかりと甘く、ミネラル感もしっかり。美味しいです。
良いお茶に仕上がってるなとしみじみ。

柔らかい綺麗な葉底です。
ほぼ一芯二葉で揃っていて、大きさも均一。
しっかりふっくらした肉厚の嫩葉で構成されています。
丁寧につくられているのがよくわかる美しさで
砕けなどは殆どありません。

よく中国緑茶好きですねと言われるのですが、今となってはそうです。(笑
最初は多くの人と同じように青茶好き、そこから黒茶に行き・・・だったのですが
中国茶を理解しようと思うと基本は緑茶であると言われていることが
そうかも・・・と納得できるタイミングがあり
そこから意識して飲むようになって、今や立派な緑茶好きになりました。(^^;

緑茶はそのシンプルさ故にその良し悪しがダイレクトに出てしまうお茶でもあります。
茶園管理から製茶、保管方法、
そして淹れ方、それぞれの技術の差が出やすいお茶だと思います。
製茶で失敗した緑茶を火入れで飲めるように誤魔化すということもできません。
(他の茶類はある程度できたりします。致命的に失敗していたら無理ですが;)
中国緑茶の場合は攤放と呼ばれる微発酵(場合によっては結構発酵させるものも)もあったり
他の茶類の基本と言われるだけあって、かなりの必須要素がその工程に含まれています。

私は中国緑茶は低温で淹れません。熱湯で入れています。
中国緑茶の上質なものは高温の方が香り高く甘く美味しく入ります。
ただし、これにはちょっと技術が必要かもしれません。
湯温を下げることはしませんが、湯を注ぐ角度や勢いなどで
好きな味わいにコントロールしていきます。
そういったことができるようになるのも、やはり緑茶を飲み続けているから。

ということで龍井茶からはじまり
(最近龍井茶を飲まないのは昔に散々飲んだ&本物は現地でも高すぎなので・・・)
浙江省、安徽省、四川省と色々飲んでいますが、まだまだ先が見えないほど
そのバリエーションに富んでいます。これがもう今や面白いんですけどね。
ただ、意識して緑茶を飲むようになってから、審評も淹れ方も理解しやすく
自分でも分かるほどに理解が進むスピードが早くなりました。
中国茶を理解したいという場合はぜひ緑茶を意識して淹れて飲むのがおすすめです。
緑茶をコントロールできるようになると青茶や紅茶などの他の茶類も
とても美味しく楽しめるようになると思います。(^^

そんなこんなで大量に勉強用緑茶がある我が家ですが
午前中は意識を覚ますためにも集中して緑茶を、午後から夜は他の茶類をと消費しています。
先日、審評以外でどの位のお茶を飲んでいるか計算していたら週平均250gでした・・・

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 Posted by at 1:52 AM
6月 222014
 

安徽省でいただいた太平魁尖です。
おそらく2013年のもの。

有名&最高級は太平猴魁ですが、これはそれよりランクの落ちる太平魁尖。
とはいえ、販売する際には「太平猴魁」として販売されてしまうのでしょうけど。(^^;

基本的には緑を基調とした色合いですが、若干黄変している部分もあります。
茶葉の大きさは不均一。結構砕けが発生しています。
これは私の持ち歩き方法が良くなかったかもしれませんが
元々がそれなりに砕けていたように思います。
機械を使用した製茶なので、網目が確認できます。
甘い花香が出ています。


鑑定杯使用

透明度の高い落ち着いた黄色の水色です。
香りは陳香が感じられます。微かに花香もありますが、微妙。
味わいはすっきりとした苦味、控えめな甘味があります。
雑味がでているのが残念。
保管状況がというより、ポテンシャルの低い茶葉は置いておいてもダメだという見本のような;


蓋碗使用

透明度の高い金色の水色です。
香りはやはり陳香が出てしまっています。
微かに花香。
味わいは丁寧に淹れて雑味をかなり抑えることは出来るものの、ちょっと隠し切れない感じです。
(腕にもよりますが・・・)
ただ、抑えた分、甘味が目立ってきて、そこそこ飲めなくも無い感じ。
太平猴魁系特有のうまみも感じられるようにはなりました。
しかし、これを美味しくって相当難しいですね。(^^;

柔らかい葉底です。但し弾力はありません。
砕けが若干目立ちます。持ち歩きのせいという部分もありますが
製茶時に砕けたと思わせる部分もちらほら。
葉の繊維が潰れてしまっているような箇所もあったり
決して美しいとはいえない葉底になってしまっています。

良い緑茶というのは1年を経過したころに甘味が増したりして
新茶の時とは違う、深い味わいに変化していくのですが
(もちろん保管環境は重要です)
元々そのポテンシャルのない茶葉は年月による熟成というより劣化の一途をたどるという
お手本のような結果になってしまいました。(^^;
特に良い太平猴魁あたりは2年位が一番甘く美味しくなるのですが・・・

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 Posted by at 1:37 PM
5月 192014
 

茶農家さんBの蒙顶(蒙頂)野生茶です。
蒙頂山主峰ではなく少し離れた地域の山中にある野生茶樹から作られています。
この野生茶樹のある地域は蔵茶の原料となる茶畑がある方で
私自身はあの山だなぁというのは分かるのですが、山の名前が分かりません・・・
多分、名前の無い山なんですけど。(^^;

ここ数年、大流行中の野生茶ですが、大体にして本当の野生ではなかったりします。
そんな中、これは本当の野生茶なんだそうで(ということは勝手に採取してきたんだなと;)
そんな訳でこのお茶の生産量は非常に少なく2キロしかありません。
貴重な茶葉を少し分けていただきました。

ちなみにこの茶農家さん、一部の特別なお茶は基本的に機械を使わずに製茶しています。
この地域では少し有名な茶農家さんなのですが、
出来る限り機械は使わないということで、昔ながらの手揉捻などで頑張っています。
このお茶もそうやって作られているそうです。
一般普及品的な品質の茶葉は機械を使用して作っています。
昔ながらの製法と両方行うことで差別化を図っているようです。
ちなみに今回このお茶を作ったのは、この茶農家さんのご隠居。
もう引退されているおじいちゃんですが、暇なので山に入って作ったとか。(笑

深緑の大きさが揃った綺麗な茶葉です。
白毫もしっかり確認できます。
ほぼ真っ直ぐな形状をした茶葉で、砕けも非常に少ないようです。
甘い花香が感じられます。


鑑定杯使用

薄い黄色の透明度の高い水色です。亮度も良く出ています。
柔らかい花香と豆香が感じられます。高さも充分。
ほっこりとした火の香りも感じるのは
燃料にガスを使用せず薪で行っているからと思います。
粘性のある茶水で甘く、回甘もしっかりあります。
特筆する位に余韻が長く続きます。
滋味とも言うべき旨みが複雑にあり、味わいの奥行きが深いです。
微かな苦味も心地よくあり、渋味は殆ど感じません。


蓋碗使用

青みがかった金色の水色です。
透明度と亮度が非常に高く出ているのが印象的です。
清らかな花香とほっこりとした豆香。
粘性が非常に強い茶水で、独特の甘味があります。
苦味などは一切感じず、微かな塩気のような味わいも覚えます。
これは美味しいですね。

基本的には一芯二葉で摘み取られているようです。
とても柔らかく繊細な葉が使われているような印象を覚えます。
大きさもほぼ均一、砕けも非常に少なく、ほとんど確認できません。
芯が多く、嫩度も高いです。

実際、ショップの方に入荷したいと思うほどに美味しいお茶でしたが
2キロしかないとなるとちょっと無理な少なさで断念しました。
(検査に出したら残りません・・・;)
本当はこういう美味しいお茶がもっともっと日本に入るようになるといいのですが。

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 Posted by at 12:54 PM
5月 142014
 

メーカーさんEの蒙顶石花(蒙頂石花)です。
4月3日の茶摘みです。
産地は蒙頂山茶区の標高1200m付近の茶葉を使用しています。
伝統的な製法によるものです。

艶やかな若草色の外観です。
大きさは均一、砕けも確認できません。
嫩度は高く、一芯一葉で揃っていて、白毫が所々に白く残っています。
爽やかな青い香りがあります。


鑑定杯使用

すっきりした豆香が高く綺麗に出ています。
水色は薄い黄色。透明度も亮度も非常に高く出ています。
すっきりとした柔らかい苦味と渋みが心地よく、甘味とミネラル感がそれを支えていて
実に厚みのある味わいになっています。
余韻も長く続きます。


蓋碗使用

透明度の高い金色の水色です。亮度も高く出ています。
綺麗な豆香があり、ほっこりとした優しい香りです。
高さも充分。
味わいはすっきりとした甘味としっかりとしたミネラル感のバランスが良く
非常に上品に良くまとまっています。美味しい。
煎持ちも充分。5煎は軽く楽しめます。
今年の石花も優しく美味しいなぁとしみじみ。

ツヤツヤ、ピカピカの葉底です。
良く肥えた芽のみを使用していて、実にふっくら。
柔らかさも充分ですが、弾力もしっかりあります。
大きさも均一、砕けもなく、宝石のように美しい葉底でした。

昨年の蒙頂石花のエントリにもありますが、中国銘茶の中では最も歴史が古く
また、四川の人々にとても好まれているお茶でもあります。
事実、四川では日本で有名な蒙頂甘露はそれほどでもなく(知っているけど)
とにかくこの蒙頂石花を好んで飲んでいます。
それも確かに納得という味わいのバランスで、甘いだけでなく爽やかさもあり
飲み飽きないということでは石花の方が優れているように思います。
実際、私自身も年間を通して一番飲んでいるお茶というと、この蒙頂石花だったりします。
それだけにこの石花のロットを選ぶのに
作り手さんのところではうんざりするほど実に沢山のロットを評茶してきました。
もっと日本でもメジャーになってもいいお茶なんですけどね。(^^;

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 Posted by at 12:16 AM
5月 112014
 

メーカーさんEの禅茶です。
3月26日の茶摘みで、蒙頂山茶区の標高1100m付近の在来種を使用しています。

1500年を越える歴史のある、とある古刹の依頼で作ったお茶です。
仏教とお茶の関わりが深いのは良く知られていますが
中国ではこうしたお寺で開光(祈祷して魂を入れる)したお茶を
そのお寺の信者に分けるということが良くあります。
このお茶もそうした目的で作られているのですが、試飲させていただいたところ
非常に美味しくて、お願いして分けていただきました。
メーカーさん、というか作り手さんから直接分けていただいているので
開光はされていません。(笑

白毫に覆われた扁平型の茶葉です。
非常に良く肥えた芽が使用されています。
若草色と白毫の白が美しく、均一、砕けも確認できません。
甘い花の香りが感じられます。


鑑定杯使用

お菓子のような甘い香りです。
非常にしっかりとキャラメルのような甘い香りが出ていて、持久性も高さもあります。
水色は薄いクリーム色。亮度も透明度も高いです。
味わいは驚くほどに深みのある優しい甘味があります。
遅れてミネラル感がしっかり出ていて、複雑な味わいになっています。
回甘も強く、しばらく余韻にひたれます。
この甘さは特筆ものです。


蓋碗使用

非常に透明度の高い金色の水色で、亮度も高く出ています。
この透明度の高さと亮度の高さはちょっとなかなか無いレベルです。
お菓子のような濃厚で優しい甘い香りがしっかりと出ています。
味わいもその香りとリンクするように、しっかりと甘いです。
厚みのあるミネラル感もその後ろに控えていて
単なる緑茶がここまで複雑に濃厚な甘味を持てるのかと驚かされます。
やっぱりこのお茶、凄いです。

煎持ちも良く、進めていくと甘い香りは花香に変化してくるのもいい感じです。
味わいの甘さはずっと続いていて、凄いなと感心させられます。
この茶師さん、いつも本当に技術が高いとは思っていましたが
ここまで凄いお茶を作れるんだなぁと改めて感心。

見事なまでに肥えた芽を使用しています。
肉厚でふっくらした芽で構成された葉底です。
大きさも揃っていて、綺麗な葉底です。

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 Posted by at 12:49 PM
5月 082014
 

メーカーさんTの思茅 头春茶(頭春茶)、滇緑(雲南緑茶)です。
雲南省南部の思茅の標高1800m付近にある茶園で2014年3月15日に摘み取られました。

头春茶(頭春茶)というのは日本で言う一番茶。
中国茶で良く言われる早春茶と同じような意味で
春節後に最初に摘み取られたお茶をこう呼ぶことが良くあります。
この呼び方も早春茶と同様、雲南以外の地域でも
緑茶だけに使われる言葉でもなく、割と幅広く使われています。

雲南大葉種から作られているので头春茶といっても茶葉は大きめ。
深緑に白毫の白が綺麗に映えています。
砕けも少なく、縒りは緩め。
大きさも比較的揃っています。
甘い花香が感じられます。


鑑定杯使用

黄色の水色で透明度、亮度も高く出ています。
甘い花果香があり、高さも充分です。
この甘い香りは雲南緑茶特有の甘さです。いいですね。
味わいはしっかりとした甘味、粘性のある茶水で茶質が良く出ています。
回甘もしっかり、余韻が長く続きます。
微かな柔らかい苦味が心地よく、味を引き締めています。
ミネラル感もしっかりあり、バランスが良いです。
今年もいい出来ですね。


蓋碗使用

金色の透明度の高い水色です。
亮度も高く出ています。
花果香が甘く高くでています。
粘性のある茶水でしっかりと甘く、複雑なミネラル感がバランスよく感じられます。
余韻も長く、かなり好み。
煎持ちも良く、トロりとしたお茶がずっと楽しめます。

葉底からも非常に甘い花香があります。
見た目の印象よりも遥かに柔らかい茶葉で、芯も多く見られます。
肉厚だけどクタクタという柔らかさで、所々に醗酵が始まっているのが分かります。
この塩梅が香りの良さを出しているんですね。
若干の砕けはあるものの、概ね大きさも均一。
今年も美味しい緑茶になったなと思います。(^^

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 Posted by at 9:57 AM