9月 232014
 

広東省のメーカーさんBの特级 英红九号です。
英徳紅茶をお探しするご依頼をいただいた際に集めたものの中の1つで
先にエントリしている英徳紅茶のメーカーさんとは違うところのものです。
2014年3月の摘み取りです。

黒褐色の艶のある茶葉に金毫が混じっています。
大きさは中程度で均一。砕けも殆ど確認できません。
爽やかな花香が微かに感じられます。

中国で鑑定杯を使用して確認しているのですが
持ち帰ってきたサンプルが少量のため、日本では鑑定杯を使用していません。


蓋碗使用

赤褐色の水色です。透明度、亮度共に十分に高いです。
香りは薬香を感じさせます。遅れて微かな花香。
味わいは柔らかい甘味と渋み、こっくりとした滋味が感じられます。
果汁のような優しい酸味も感じられます。
十分に美味しい紅茶ではありますが、何となく物足りなさも。
味わいの奥行が気持ち浅いんですね・・・
それとこの薬香が結構強くて気になります。(^^;

英徳紅茶はその殆どが欧州輸出向けであったということもあって
お茶の品質としてはあまり評価されてこなかったお茶なんですね。
硬水の地域が多い上にミルクや砂糖を入れて楽しむ用のお茶は決して品質が良い必要はなく
良く言えば基準が違う、正直に言ってしまえば品質の悪いもので十分。
そういった背景もあって、英徳紅茶に関しては製茶技術の改善というものから
近年までは遠ざかっていた印象があります。

ちょっと話は逸れますが、欧州向けのお茶の品質が良いものではないということには
考え方の違いが大きいとも思っています。
もちろん、楽しみ方が違う、水が違うということもありますが
概して欧州のバイヤーさんたちはお茶にも工業製品的な品質を求めるように思います。
つまり、どんなに不作の年でも安定して供給できるであろうレベルのものを希望します。
逆に日本やアジアでは一期一会ではありませんが、今年は良かった・悪かったというのを
楽しむというベースがあるので、このあたりの考え方は全く違います。
自然と戦う西洋文化と自然を受け入れる東洋文化の差でしょうか。

と、まぁこうして技術改善やブランド化といったものから取り残されてしまった感のある
英徳紅茶の状況だったのですが、ここ近年はごくわずかではありますが
ブランド化を目指そうとか国内流通を視野に入れたメーカーさんも増えてきて
かなり向上してきたなぁというのが正直な感想です。
先に紹介した金毫の英徳紅茶などは驚くほど高い品質ですし。
ただし、全てのメーカーさんがそうかというと、やっぱりまだまだな地域ではある訳で
このお茶も特級と言っていますが、普通だったら1級レベルですね・・・
どうも英徳紅茶のメーカーさんは級付が甘いところが多いです。

ちなみにご存知の方には当たり前のことですが、特級、1級というのは
基本的なガイドラインはお茶の種類ごとに大体決められているものの
実際の級付けをするのは各生産者に任されています。
普通は数年間分の各級のサンプルを標準葉として保管しておいて
それらを基準に級付けを行っていきます。
ですので、実際は生産者によってかなりばらつきがあります。
私が知っているメーカーさんは(英徳紅茶だけでなく中国紅茶全般ですが)
何でもかんでも特級とつけていますが、実際には2級でしょうに・・・というものだったり
まぁなんでも特級とつけてしまう場合が多いのも現実です。

煎を進めていくと気になっていた薬香も抜けて無臭にはなりますが
ちゃんと美味しく楽しめるようになります。
味わいも絶品ではないですが、一般的な英徳紅茶の中では美味しい方だと思います。

葉底は意外と好印象。
肉厚で若干硬さはあるものの、ちゃんと弾力もあります。
そこそこ嫩葉も入っていますし、大きさも大体均一。
発酵もしっかりちゃんとしています。

おそらく、この薬香はこの作り手さん、というかメーカーの癖なんだと思います。
というのも、中国の方で同じメーカーさんの別ロットを試飲しているのですが
その際にも共通するような香りを感じたので・・・
この薬香が好きという人には良いのだと思いますが
そもそも英徳紅茶に薬香はないので、難しいところですね。(^^;

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 Posted by at 5:40 PM
8月 152014
 

2011年の英徳紅茶です。
とある方からサンプルとしていただいたものです。
品種は英紅9号とのこと。

細やかなマットな艶のある鳥黒(黒褐色)の外観です。
金毫が多く確認できます。
茶葉の大きさは英紅9号にしては気持ち小さめ。
若干砕けがあるのは、どちらかというと保管や輸送の結果な感じです。
概ね均一、異物混入などは確認できません。

サンプルのみなので鑑定杯は使用していません。

褐色の透明度の高い水色です。
透明度、亮度は非常に高く出ています。
香りは微かな花果香。これは時間が経過して香りが失われてしまったかも。
(後にご依頼いただいた方にお伺いしたところ、最初からのようです)
味わいは甘味、独特の滋味がしっかり感じられます。
微かな収斂味がありますが普通にしていれば分からない程度。
しっかりと分厚い旨みで紅茶らしい美味しさがあります。
秀逸な紅茶だと思います。
雑味は殆ど感じません。

煎を進めていくと少し香りが復活するような。
味わいの分厚さはしっかりと残っています。

褐色の弾力のある葉底です。
肉厚でしっかりしているのが印象的です。
揉捻がかなりしっかりしていて、これはこの茶業さんの特徴かも。
葉の形が綺麗に残っているのも印象的です。
しっかりと基本に忠実な茶葉といった感じ。

少し古い感じの作り方をしているような印象があります。
が、逆に基本に忠実で真面目に作られているのが伝わってくるような。
残念ながら現在の指標では最高級とか最上質ではないと思いますが
本来の英徳紅茶はこうだったのかもと思わせてくれるようなお茶です。
この茶葉は英紅9号を作出した機関が作ったものとのこと。
大変勉強になりました。どうもありがとうございます。

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 Posted by at 1:21 AM
8月 122014
 

広東省のメーカーさんAの英徳紅茶です。
英徳紅茶をお探しするご依頼をいただいた際に集めたものの中の1つで
これは6月に摘み取られたもの。
等級は1級です。
ロット違いで入手しているので便宜上Cとつけています。

黒褐色の艶のある茶葉です。
ところどころに金毫が確認できます。
縒りが強く、若干揉切っているような外観で大きさは均一。
砕けも少ないようです。
甘い清らかな香りがあります。
摘み取り時期が6月のせいか、早い時期に摘み取られたロットより
しっかり成長している感じがありますね。


鑑定杯使用

赤褐色の水色です。透明度も亮度も高いです。
香りは甘い果香の強い花果香。しっかりと感じられます。
持久性もあります。
味わいは深みのある濃厚な甘味、微かな酸味、しっかりとした滋味があり
回甘も強く出ています。
身体の中から花香が戻ってくるのが印象的です。
バランスは良いですが、全体的に印象が弱い感じもします。
相当に美味しいのですが・・・


蓋碗使用

褐色の透明度の高い水色です。
甘い花果香が感じられます。
しっかりとした甘味、滋味のバランスが良く
おいしい紅茶だなぁとしみじみ感じるような、毎日楽しみたくなるタイプ。
普通にしっかり美味しい紅茶という印象です。

濃い褐色の葉底です。
揉切されているようですが大きさは概ね均一。
意外と肉厚の茶葉で弾力もあります。
芯の部分も結構あって、意外と嫩度は高いようです。
なかなか好印象の葉底ですね。

今回、ロット違いで審評したなかでは摘み取り時期の違いもあって
最も等級(というか価格)が低いものだったのですが
このメーカーさんの等級は他のメーカーさんよりも全然厳しい基準なので
おそらくメーカーによっては特級扱いされる茶葉です。
(日本で普通に入手できる英徳紅茶を輸入している某メーカーさんなら絶対に(笑))
現地では決して高価なお茶ではないのですが、
いかに日本へ入ってくるお茶のレベルが・・・なんだなというのが分かります。(^^;

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 Posted by at 2:07 AM
8月 092014
 

広東省のメーカーさんAの英徳紅茶です。
英徳紅茶をお探しするご依頼をいただいた際に集めたものの中の1つで
これは3月に摘み取られたもの。
等級は1級です。
ロット違いで入手しているので便宜上Bとつけています。

黒褐色の艶やかな外観です。
金毫が多く、嫩度もそれなりに高そうな感じです。
大きさは若干不均一ですが、嫌な印象の不均一ではなく
芯と葉の部分で大きさが違うなぁという感じ。
砕けも少なく、綺麗です。
甘い花香があります。


鑑定杯使用

赤みの強い褐色の水色です。
透明度がかなり高く、亮度も同じように高く出ています。
香りはまるで鼈甲飴のような甘い花果香。
花香と果香のバランスが良く、高さもしっかりあります。
味わいは爽やかな甘さ、しっかりとした滋味、柔らかい酸味
英徳紅茶らしい喉越しのよさがしっかり感じられます。
心地の良い渋味もあり、非常に分厚い味わい。
なかなか良いお茶だと思います。


蓋碗使用

赤褐色の透明度の高い美しい水色です。
艶やかで亮度もばっちり。
甘さと滋味がバランスよく、しっかりと良く出ています。
英徳紅茶独特の喉越しもしっかり。
甘い花果香も高く出ていて、これは美味しいです。
中国紅茶の繊細さを持ちながら
欧州式にミルクティーにしても負けないような強さも持っています。

肉厚でフカフカといった感じの葉底です。
若干揉切されているものの、葉の大きさによってはそのままの形で残っています。
大きさはほぼ均一、砕けも見られません。
芯も多く、嫩度も高いです。
艶やかでかなり高感度の高い葉底です。

英徳紅茶らしさももちつつ、近年の製茶技術の向上を感じさせてくれるような
いいお茶だなと改めて思いました。
これで価格がもうちょっと下がれば嬉しいのですが
英徳紅茶自体の流通が少ないせいか
中国紅茶においても高価な部類に入ってしまうのが残念です。

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 Posted by at 4:56 PM
8月 052014
 

広東省のメーカーさんAの英徳紅茶です。
英徳紅茶をお探しするご依頼をいただいた際に集めたものの中の1つで
これは4月に摘み取られたもの。
等級は1級です。
ロット違いで入手しているので便宜上Aとつけています。

黒褐色の艶のある茶葉です。
ところどころに金毫が確認できます。
しっかりとした縒りで、大きさはほぼ均一。
砕けも少ないようです。
甘いしっかりとした花香が感じられます。


鑑定杯使用

赤褐色の透明度の高い水色です。
亮度も高く出ています。
香りは綺麗な花果香。どちらかというと果香が強く出ています。
持久性もかなりあります。
味わいはしっかりとした深みのある甘さ、爽やかな酸味、
柔らかい心地の良い渋味があり、余韻も長く続きます。
英徳紅茶の基本は全て押さえているような印象です。
雑味などは全く感じません。


蓋碗使用

褐色の透明度の高い水色です。
亮度も充分、綺麗な鼈甲色に出ています。
香りは落ち着きのある果香。思ったより高さは出ませんでした。
これは水を変えれば高く出そうな感じ。(多分硬さのある水が良さそう)
味わいはしっかりと甘く、爽やかな酸味と喉越しのよさ
回甘も含めた余韻の長さといい、英徳紅茶らしさが良く出ています。
バランスの良い味わいで、かなり好感度高いです。

赤褐色の葉底です。
肉厚で弾力もしっかりあります。
実際、もっと硬い葉底かと予想していたのですが、意外と弾力がありました。
芯も確認でき、嫩度もそれなりに高いです。
揉切はあるものの大きさはほぼ均一。変な砕けもなく綺麗です。

価格帯的にも一番好感度が高いのがこのロットでした。
標準葉にでもなりそうな感じで素直に特徴が出ていていいですね。(^^

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 Posted by at 12:49 AM
8月 022014
 

広東省のメーカーさんAの英徳紅茶です。
英徳紅茶をお探しするご依頼をいただいた際に集めたものの中の1つで
これはその最高級のもの。等級は特等(多分、特一)です。

英徳紅茶自体は鳳凰水仙種や雲南大葉種から
これらを掛け合わせて作られた英紅9号という品種を使って作られています。
こちらは英紅9号のもの。
とはいえ、実際には英紅9号の中でも雲南大葉種の特徴が強く出ているもの
その逆に鳳凰水仙種が強く出ているものと分かれているようです。

英徳紅茶には珍しいほどの金毫で覆われています。
基本的には芯の部分で構成されているようで嫩度は高いです。
大きさも均一、砕けも殆どありません。
甘い花香が強く出ています。

非常に、恐ろしいほど高価な紅茶なので(笑)鑑定杯の使用はしていません。


蓋碗使用

赤褐色の透明度の高い水色です。
亮度がかなり高く、ガーネットのような美しさを持っています。
香りは控えめな英徳紅茶には珍しく甘い花香。しかも深みのある甘い香りです。
高さも持久性も文句なし。
味わいは甘くしっかりとした英紅9号らしさの良く出ている滋味
どっしりとしたミネラル感が感じられます。
流石と思わせるのは英徳紅茶のもうひとつの特徴である独特の喉越し、余韻といったものが
きちんと綺麗に感じられること。
ここまで金毫が多いような特別なお茶の場合
本来の種類ならではの特徴が消えてしまうことが多いのですが
これはしっかりその特徴を持っています。
実に美味しいです。

2煎目になるとぐっと華やかに。
柔らかい酸味も感じられて、これもまた美味。
試飲ということもあって強めに淹れているせいもありますが
滋味の深さが深まってきたような感じです。
2煎目の方が味わいが奥深い。(^^

煎持ちも良く、2煎目の印象がそのままユルユルとフェードアウトしていく感じ。

芯のみで構成された見事な葉底です。
柔らかさも弾力も文句なしといったところ。
大きさもほぼ均一、砕けなどもありません。
葉底からもまだ甘い香りが立ち上ってきます。
こういった英徳紅茶もでてくるようになったんですね。(^^

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 Posted by at 2:50 PM
4月 292014
 

凤凰单枞‏ 草兰香(鳳凰単欉 草蘭香) 2013

2013年の茶農家さんDの凤凰单枞‏ 草兰香(鳳凰単欉 草蘭香)です。

年間10キロちょっとしか作れないのは変わらず。
相変わらず貴重で高価なお茶です。(^^;
でも特韵が感じられる鳳凰単欉って滅多に出会わないんですよね。
ということで、今年もようやく飲み頃。
改めてきちんと向き合うことに。

濃い褐色の縒りの強い茶葉です。
艶やかで甘い花の香りがあります。
全体的に小さめの均一の茶葉で、砕けなどは確認できません。
非常に整った茶葉です。

凤凰单枞‏ 草兰香(鳳凰単欉 草蘭香) 2013
蓋碗使用

黄金色の美しい水色です。
透明度も亮度も充分。茶質が良く出ていて、粘性を感じます。
トロっとした感じ。
香りが見事で第一印象はソーテルヌ。次第にマスカテルなニュアンスも。
見事な花果香があります。
味わいはしっかりとした滋味、甘味、ミネラル感に加えて
特韵らしい清涼感を伴った香りと味わいがあります。
回甘が強いのはもちろんのこと、トロっとした茶水ということもあって余韻が長いです。
今年は花香より果香が強く出ていますね。

煎持ちも良く、1日じっくり楽しめました。
言うまでも無いことですが、中国茶では品質の判断基準に煎持ちの良さも含まれます。
そういった意味でも高品質のお茶、大概は高価なものになりますが(ぼったくりではないかぎり)
液量換算すると意外とそう高価でもないんですよね。
このクラスになると淹れ方を失敗しない限り、10煎は軽く楽しめますので(実際、この時は16煎)
品質がほどほどの安価なお茶とそうCPは変わらないかなぁという気も。
むしろ美味しい分、こちらの方が嬉しいです。

凤凰单枞‏ 草兰香(鳳凰単欉 草蘭香) 2013

艶やかな深緑から褐色、赤褐色が混ざった葉底です。
まだまだ良い香りが出ています。もっといけたかも。
柔らかくてムチムチとした触感で、比較的小さめの茶葉で均一。
弾力もしっかりあります。

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 Posted by at 6:20 PM