勉強になるからと頂いた伝統型 凍頂烏龍茶(ということを目標に作られたお茶)です。
というのも、こちらはベトナム原産の毛茶(荒茶)を台湾鹿谷に運んで
最終仕上げを行ったという「凍頂烏龍茶」なんだそうです。
濃い褐色の茶葉です。
しっかりと団揉されていて艶もあります。
大きさも比較的均一。砕けなども確認できません。
濃い褐色の水色です。透明度はしっかりあります。
亮度は普通といった感じ。
香りは殆ど感じません。飛んでしまっている感じ・・・
味わいは微かな収斂味、酸味があります。
口に残るえぐみがかなり強い。
底の方に滋味は感じるのですが、雑味に隠れてしまってちょっと厳しいです。
鑑定杯で淹れると良くも悪くも増幅してしまうので・・・
少しでも美味しく入るかと期待して茶壺で淹れました。
えぐみを抜くべく工夫して淹れています。
銅色の透明な水色です。透明度も高く出ています。
亮度も結構出てきたようです。
香りは変わらずほぼ無臭。
大分えぐみは消えて清らかになってきましたが
滋味や旨味というものがやっぱり浅いです。
普通に飲めるレベルではあるけれど(でもないかも;)
ちょっとこれが凍頂烏龍茶だと思って欲しくないなぁと正直、思います。
意外と柔らかい葉底です。
ただし、揉捻が不均一で、しっかり行われている部分もあれば
殆どされてない葉もあったりしています。
基本的には小さ目の茶葉で比較的均一なのですが
おそらく一番失敗しているのは焙煎。
炭ではないと思われますが(味わいが違いますし)
火入れが強い場所とそうでもない場所とばらつきがあります。
なので葉底もガチっとしている葉もあれば柔らかい葉もあるという感じ。
それと、どうも「凍頂烏龍茶」としての発酵など
全てが不十分なんだと思います。バランスが悪すぎるんですね・・・
元々の茶葉は決して悪い方向ではなかったと思わせるものを持っているのですが
「凍頂烏龍茶」にしようとして全てのバランスが崩れるとこうなったみたいなお手本です。
先日のお茶会でも少しお試しで淹れさせていただきましたが
このお茶を最後に持ってきたら、おそらく全てがぶち壊しであっただろうという破壊力でした。(^^;
こちらを下さったのは、あまりにも失敗しているからという理由だったのですが
実際、ベトナム産の茶葉を「凍頂烏龍茶」にするということは決して少なくはなく
殆どはもっと上手に分からない位に仕上げてきています。
これはどうも若手が「伝統的焙煎」にチャレンジして失敗した模様です・・・
#うちとは取引の無い作り手さんによるものです。念のため。
元々ベトナムの製茶技術は決して悪いものではないと思っているので
ちゃんとした美味しいものこそ、「凍頂烏龍茶」ではなく
凍頂コラボ・ベトナム烏龍茶としてでも流通して欲しいなぁと思います。