四川省成都で茶業兼茶商を営んでいる友人からいただいた中国红です。
(邦崴单株と同じ友人です)
中国红とあると中国の紅茶という意味でしかありませんが
これは雲南省の滇紅(雲南紅茶)。
江南六大茶山の1つである景迈山(景邁山)の古茶園にある
樹齢100年以上の茶樹のみを使って作られているそうです。
春先のまだ本来であれば紅茶は作らないような若い芽を使い
機械を使わず全て手工で作ったとか。
もちろん、蒙頂山の茶師でもある友人の旦那さんが布朗族と共に作ったものだそうです。
綺麗な定窯の茶入れに入っています。
定窯は宋代五大名窯の1つにもなっている河北省保定市曲陽県にある官窯です。
白磁が有名な窯です。
このお茶をいただいたのはチベットへ向かう前日の成都でだったのですが
チベット行きの飛行機はセキュリティチェックが非常に厳しく
この壷が手榴弾にでも見えたのか、異常に調べられました・・・(^^;
蓋を開けて本当に茶葉なのか確認されるのですが
警備担当の軍人さんが指でグリグリやるもので
つい「あっ!押すんじゃない!」とか言ってしまったという・・・(笑
黒褐色のしっかりと縒られた茶葉です。
細やかな艶が非常に美しく、金毫が所々にあって目を引きます。
もっと金毫だらけの茶葉が出てくるかと思っていたので意外です。好印象。(^^
金毫の量からも分かるように嫩度は高そうです。
大きさは比較的均一、砕けも見当たらず綺麗です。
甘い花果香が感じられます。
鑑定杯は使用していません。
橙褐色の透明度の高い綺麗な水色です。
亮度が素晴らしく高く、琥珀のような色合いになっています。
甘い果香から見事な花香へ。若干、香ばしさも感じられます。
味わいは落ち着きのある甘味とミネラル感。
清涼感も感じられて、爽やかな味わいに仕上がっています。
回甘と共に清涼感も強くなって、余韻が非常に心地よいです。
見事。美味しいです。
このタイプの滇紅って結構珍しいかも。
マスカテルなニュアンスもあり、ダージリンと中国紅茶の中間みたいな感じです。
煎持ちも良く、丁寧に作られたお茶だなぁとしみじみ。
しっかりと醗酵、揉捻された葉底です。
葉の形も崩れることなく、柔らかく弾力があります。
嫩度も高く、全体的に萌葉を使用しているようです。
葉底を見て面白かったのは揉捻の仕方。
これは雲南の揉捻方法じゃないですね。
蒙頂山の揉捻方法です。(笑
これを作ったのは間違いなく友人のご主人というのが良く分かる葉底でした。
やっぱりご主人の作った蒙頂茶も飲んでみたい。(^^