メーカーさんSの临沧滇绿(臨滄デン緑)です。
品種は凤庆大叶种(鳳慶大葉種)だそうです。
ちなみにこれは2012年のもので、昨年はかなり強くて見送り。
やっと最近になって落ち着いて美味しくなってきました。
滇绿というのは雲南緑茶で、云绿(雲緑)とも呼ばれます。
あまり流通している緑茶ではありません。
結構探さないと見つかりません・・・
滇绿は雲南の西南地区である、保山、临沧、思茅、西双版那あたりで作られます。
普洱茶と同じく云南大叶种(雲南大葉種)から作られます。
(滇绿の中には小葉種で作られているものもあります)
雲南大葉種はいくつかの品種に分かれます。
代表的なものとして紅茶などが有名な凤庆大叶种(鳳慶大葉種)をはじめとして
勐海大叶种(モン海大葉種)、景东大叶茶(景東大葉茶)、
景谷大白茶、孟库大叶种(モン庫大葉種)、云抗43号(雲抗43号)・・・
と沢山あります。(^^;
ちなみにこのお茶は凤庆大叶种とのことです。
この滇绿の作り方は烘青です。
滇绿だから烘青という訳ではなく、本当に雲南は色々な製茶を試す地域なので
他の滇绿も烘青かどうかは、そのお茶次第といったところ。
ちなみに普洱茶の原料になるのは滇青といい、滇绿とは区別されます。
違いは殺青時の温度と最後の乾燥が滇青は日に晒すということ。
実際に滇绿を固形にして普洱茶として出荷する粗悪品があるのですが
(滇青の場合よりも日に晒して乾燥させるよりも早く出荷できるし高く販売できるので)
滇绿の加工方法をしたものは黒茶として後醗酵しません。
普洱茶のできたては結構癖が強くて飲みにくいのですが
そこは緑茶なので最初から美味しく飲めてしまうため、試飲などでも好評で売れるそうなのですが
黒茶として熟成しませんので、滇绿で偽装した普洱茶は劣化するのみで
数年したら飲めたものではなくなります。
このあたりは本当に気をつけるようにと老師に何度も教わりました。
ということは、相当多くそういった商品が流通しているということです。
まぁ実際してるんですが。(^^;
白毫がびっしりとした茶葉です。落ち着きのある緑色です。
雲南大葉種らしく大きめですが、芯が多く嫩度は高め。
葉の大きさも比較的揃っています。
柑橘系を連想させるような果香と蘭香があります。
滇绿らしい香りですね。
黄色の透明度、亮度ともに高い水色です。
香りは非常に高い柑橘系の果香、それと見事な蘭香。
気持ちの良い苦味と柔らかい渋み、甘さが良く出ています。
回甘も強く、余韻がしっかりあります。
美味しいです。
薄い黄色の水色です。
見事な爽やかで高さのある蘭香。
すこし粘性のある、良く茶質の出ている茶水で口当たりも非常に柔らかいです。
複雑さをもった奥行きのある甘い味で美味しいです。
滇绿の中ではかなり美味しいほうだと思います。
煎持ちも良く、かなり長く楽しめます。
なにより香りと甘さが非常に長いのは凄いです。
一芯一~二葉で摘み取られています。
砕けも無く非常に綺麗です。
柔らかく、弾力のある葉底で、とても綺麗に作られているのがわかります。
滇绿ってあまり流通がないのですが、かなり美味しいです。
大はずれというのはあまり無いのですが(中にはあるけど)
凄く美味しいというのも少ないような。
そんな中でこの滇绿は凄く美味しいです。
一番の問題は、買いに行くのに昆明まで行かなくちゃいけないってことですかね。(^^;