中国の作り手さんAの九曲红梅(九曲紅梅)です。
2014年の奇兰(奇蘭)種によるものです。
昨年のエントリで説明をしていますが
台湾の奇蘭種を浙江省に持ち込んで作られたものです。
今年の春先にあった気温の低下と
半野生化した茶畑から作られているということも重なって生産量が少なく
お茶の価格が高騰し続けている今年は厳しいかなぁと思っていたのですが
親友の師匠が作っておられるということもあって、裏ワザで入手できました。
感謝。
試飲は何度もしていましたが、そろそろ落ち着いて美味しくなってきた時期なので改めて。
黒褐色の美しい茶葉です。
非常に艶やかで、昨年のものよりも艶があるような感じを受けます。
縒りはきつく、しっかり。金毫がちらほら確認できます。
大きさはほとんど均一。砕けも殆ど確認できません。
今年はやはり寒さもあって成長が遅かったようで昨年よりも繊細に仕上がっています。
管理している茶園であればまだコントロールできたそうなのですが
半野生化状態、肥料も何も与えていない奇兰は
管理されている茶園の鸠坑小叶种(鳩坑小葉種)に比べると
比較にならない位に生産量が落ちたそうです。
赤褐色の水色です。透明度も亮度も高いです。
香りは見事な蘭香。糖蜜香もありますが、蘭香が見事すぎて印象が薄いです。
昨年よりもずっと蘭香が華やかで深いような。ちょっと驚きました。
味わいはしっかりとした深みのある甘味、滋味、かすかな清涼感を伴うミネラル感があります。
昨年より嫩度が高いからあっさりした方向に行くかと思ったのですが
逆に香りも味わいも深みが凄いです。
良く今年は出来が悪いという時ほど上質なお茶が出ると言われますが、まさに典型のような。
余韻も長く続きます。
赤銅色の透明な水色です。亮度が素晴らしく高くてガーネットのような色合いです。
香りは綺麗な蘭香。糖蜜香と合わさって華やかなオレンジの様なニュアンスに変化しています。
味わいは深みのあるしっかりとした甘味、分厚い複雑な滋味が加わって
爽やかでありながら凄みも感じるような感覚。
今年はいいですねぇ。
煎持ちも良く、茶師さんの技術に改めて尊敬。
(九曲紅梅ではとても技術が高いことで有名な方です)
非常に繊細という印象の強い葉底です。
嫩度が非常に高く、葉の大きさはそれなりにあるのですが小さい。
とても柔らかく、弾力があります。
大きさも殆ど均一、砕けも揉切されている以外にはありません。
見た目からは想像できないような深みのある九曲紅梅になっているのは
さすがとしか言えないですね・・・
無理やりとはいえ(笑)今年も奇蘭が楽しめることに感謝。(^^