中国の作り手さんBの传统 正山小种(伝統 正山小種)です。
この作り手さんは金駿眉を最初に作り出した方のお一人で
とても有名な正山小種の作り手さんです。
お名前を出しても良い位に有名な方で
日本で出版されているお茶関係の本などにも写真付きで出ていたりするのですが
現在、外国人の立ち入りが禁止されている桐木(正山小種の産地)に
特別に(いや、こっそり)ご招待してくださったりと
色々と申し訳ない位に便宜を図ってくださっていたりするので
ご迷惑をおかけする訳にもいかないということで、お名前は伏せておきます。(^^;
こういった方なので昔ながらの作り方を今も守っていらっしゃいます。
使用する茶葉は全て在来の茶樹(桐木奇种)のみ。
旅行記の方でご紹介させていただこうと思いますが
茶畑と言われる畑は知らなければ単なる山肌か森にしか見えません。
背の低い茶樹が他の木々の合間に点在していますが、
これらは軽く樹齢100年を越しているそうで(詳細は不明らしいです)
農薬は当然、肥料すら与えずにいるそうです。
ちなみに流通する正山小種の殆どは桐木の外国人立ち入り禁止地区より
もっと標高の低い場所にある茶畑で栽培している水仙種を混ぜて作られます。
良い正山小種になると標高の高い場所にある茶畑の水仙種を使います。
というのも在来種のみで作られた正山小種は淡い繊細な味わいなので
コクやボディを出すために水仙種を混ぜて製茶します。
このお茶はその水仙種は使わず、在来種のみで作られています。
また、正山小種といえば燻製香。
欧州輸出用の正山小種は追加焙煎されて出荷しているのは有名な話ですが
実は国内流通用も地域によって燻製香の程度を変えています。
東北、華北地方の方は強め、南は弱めになっています。
こちらは調整していない、昔と同じ燻製香強度のものになります。
在来種のみで作られているため、小さめの茶葉です。
黒褐色のマットな艶のある茶葉で、大きさは均一。砕けも確認できません。
柔らかい燻香があります。
果物のような高い龍眼香があります。
とても上品で清らか、良い香りです。持久性もかなりあります。
焙香と認識できるような香りはなく、果香に近い感じ。
透明度の高い橙褐色の水色です。亮度も非常によく出ています。
味わいは深みのある自然な甘味、微かな柔らかい酸味と複雑な滋味のバランスが良く
まるで龍眼の果汁を飲んでいるような感じ。
渋みや苦味、雑味は一切ありません。
鑑定杯淹れでこれは凄い。想像していた以上に、ずっと美味しいです。
赤褐色の透明な水色です。
透明度、亮度共に非常に高く出ています。
落ち着いたしっとりした甘味、爽やかな柔らかい酸味と
まさに滋味溢れる龍眼の果汁のようです。
ミネラル感もしっかりあって、繊細でありながら
筋の通った美味しさもしっかり感じられます。
見事なのは香り。果実のような龍眼香の甘い香りが素晴らしいです。
黒褐色の茶葉です。
揉切されていますが、大きさは均一です。それ以外の砕けはありません。
しっかりした葉底で肉厚、弾力もあります。
芯も多く、嫩度もそれなりに高いです。
丁寧に作られているのが伝わってくるような茶葉です。(^^