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This article was written on 14 3月 2013, and is filled under delicious teas, 南投県, 台湾, 青茶 Oolong Tea.

凍頂烏龍茶 2012年 冬茶

台湾の作り手さんAの凍頂烏龍茶です。
2012年冬茶で12月上旬の摘み取りです。
今では冬片とも呼ばれてもおかしくないような時期のものですが
この作り手さんには「冬片」がなく
春と冬のみ、それぞれベストのタイミングで摘み取るだけという信念で
伝統的な製法である龍眼の炭で焙煎した凍頂烏龍茶を製造しています。

元々「冬茶」や「冬片」の製茶時期は何月頃と決められるものではありませんでした。
気温がしっかりと下がって、かつ、茶樹の状態を見て「冬茶」
更に下がって「冬片」といった(簡単に言ってしまえばですが;)、
気温や気候によるものだったのですが
数年前に標高が比較的低い凍頂でも雪が降るという異常気象に見舞われ
冬茶の製造ができないということがありました。
となると茶農家や作り手の冬場の収入は全く無い状態になってしまい
ここ数年は昔では秋茶と呼ばれるような状態のものでも
冬茶や冬片として流通してしまうようになりました。
収入に直結する話なので仕方が無いという部分もありますが
以前のような冬茶や冬片はなかなか見つからないといった状況になっています。

2012年の南投県のあたりでは気温がなかなか下がらず
11月上旬で標高の高い杉林渓がようやく冬茶の摘み取りに入れたという状況で
中旬以降になってやっと凍頂でも冬茶の摘み取りが始まったという状況のようでした。
渓頭は夏から秋にかけて雨が多く、気温の下がりも悪かったため
お付き合いのある渓頭の作り手さんは冬茶の摘み取りを断念するほど
昨年は冬茶の状況は厳しかったようです。

黒褐色を基調に深緑が差した暗い色調の茶葉です。
きちんと火入れされているのが分かります。
細やかな艶があり、大きさはほぼ均一。全体的に小さめの茶葉です。
しっかりと団揉されていて綺麗な形状と1粒1粒に重量感が感じられます。
上品な花の香り立ち上ってきます。


鑑定杯使用(左:1煎目 右:2煎目)

褐色の水色です。透明度は高く、亮度もしっかりあります。
ほっこりとした火の香りと花の甘い香りが強すぎず、しっかりと出ています。
甘みと複雑で奥の深い分厚い旨みがしっかり出ていて
春茶よりも落ちつきのある冬茶らしい回甘が出ています。
柔らかい収斂味は口に残らないタイプで味の奥行きと旨みに繋がっています。
香りの持久性はかなり強く、段々と華やかな花の香りが増して残ります。


茶壷使用

金色の綺麗な水色です。透明度、亮度ともに十分高いです。
ほっこりとした火の香りと落ち着きのある花の香りが良く出ています。
甘い深みのある丸い旨みが厚く、収斂味は感じません。
茶質が良く出ていて粘性のある茶水が印象的です。
煎持ちも良く、香りと共にかなり長く楽しめました。

触った瞬間に予想外に柔らかい葉底で驚きました。
火入れもそれなりに強く(中火)醗酵もしっかりした茶葉は硬さもでるものですが
肉厚でふっくらしているのに、フカフカに弾力のある葉底で
葉の大きさは全体的に小さ目。
砕けも殆ど無い、葉の形そのままの綺麗な葉底です。
かなりしっかり醗酵されているのも分かります。しかも醗酵が均一。
それでいて揉捻もしっかりしているようで
合計10分の抽出程度では全然葉が開きません。

やっぱりこの茶師さん、本当に上手いんだなぁと改めて感動。
20年もの間ずっとお世話になっていますが、全く飽きることなく
いつも驚かされます。

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