勐海茶厂(モウ海茶廠)の7级(級)普洱散茶です。
2009年製造の熟茶になります。
7級茶葉を使用していると聞くと質が悪そうに感じますが
この等級は茶葉の大きさ(嫩度)を基準に決めているもので
黒茶の基準ではなく、むしろ緑茶の基準です。
茶葉の成分が少ない若葉を使用した黒茶は味に深みがでにくく
それらを使って作られる宮廷級などと呼ばれる普洱茶は独特の癖とさっぱりした甘味を持つものが多くあります。
深みのある旨味や甘味を出すためには、ある程度成長した葉を使うことが求められます。
そういった普洱茶にはある程度等級の「低い」茶葉が必要になります。
ただし、緑茶の価値観がかなり浸透しているのでお値段は宮廷級などの方が高め。
現地でも勧められるのは等級の「高い」もの。
同様の現象は紅茶などにも見られますが(紅茶も同様に葉が若すぎると味に深みがでません)
販売している側も結構このあたりは知らずに勧めてくるので注意が必要です。(^^;
「茶葉の等級=品質」じゃないんですよね。黒茶や紅茶の場合は。
余談ですが、この茶葉の等級はメーカーによって基準がそれぞれ違います。
で。この7级普洱散茶。
熟茶に定評のある勐海茶厂、大益のものですが、珍しく散茶です。
大益の散茶は意外とありません。珍しいですね。
褐色の茶葉です。
大きさは比較的そろっていて、それぞれある程度の大きさになっています。
茎も一定数含まれているようです。
全体的に細かい艶があります。
当然ながら濃い褐色の水色です。
濁りもなく透明度は高いです。
香りはナッツのような香ばしい香と果物の香り。棗系でしょうか。
陳香は感じません。
味は柔らかく旨味が強く分厚い味です。
濃厚な深い甘味があり、まさに回甘。果物のような普洱茶です。
これは美味しい。
それなりに美味しい熟茶は良くありますが、味の深みとか分厚さを持っているものは意外と出逢えません。
深みのある奥行きのある美味しさを持っている熟茶です。嬉しくなりますね。
褐色の綺麗な水色です。
湯温が高い時にはアミノ酸系の旨味が強く感じられます。
下がってくると回甘が強くなってきて、果物のような味と香りが強く出てきます。
煎持ちもかなり良く、1日中楽しめます。
実際は2日にかけて楽しみましたが、相当煎持ちは良いと思います。
7級とあったのでもっと固い葉底を想像していたのですが意外と柔らかい葉底です。
固い葉底と柔らかい葉底が混ざっている感じで、このバランスがあの旨味になるのかなとも思います。
大きさも揃っていて、ちゃんと考えて作られた熟茶なんだなとしみじみ思うような葉底でした。
かなりCPが良く、さすが勐海茶厂と唸りたくなるような熟茶です。