祥源茶业の喜盈眉 五年寿眉です。
C老師のお勧めで、陳年白茶がちょっと頭をかしげたくなるような
高額傾向が続いているような状態の中
なかなかCP良く、とても上質で美味しい寿眉でした。
ということで迷わず入手してきたものです。
白茶の産地である福鼎市の中でも福建省と浙江省の境界近くにある
太姥山で作られた茶葉を原料としています。
実際、福鼎といっても結構広く、海沿いの場所もあれば山の中もあるという
一口に福鼎といっても環境が全く変わります。
もちろん海沿いに近い場所の茶葉はあまり良いものとはされていません。
実は崩す前に撮影した写真があった筈なのですが紛失しています。(^^;
細やかな艶が美しい餅面です。
寿眉らしく様々な部位の茶葉が入ってるのが分かります。
緊圧は緩め。といっても程良い感じです。
芯の部分も多く、白毫が多くみられます。
2014年出荷の「五年寿眉」ですので、2009年の茶葉になります。
保管状態も良く、乾燥茶葉の状態では嫌な陳香は感じません。
微かに甘い香りがあります。
鑑定杯は使用していません。
黄金色の水色です。透明度、亮度共に最高に良い感じです。
柔らかな玖瑰香が感じられます。高さも十分。
入手したころよりもずっと玖瑰香が強くなってきているように思います。
その頃には薬香が微かに感じられたのですが、現在は殆ど確認できません。
落ち着いてきたんですかね?
良い変化をしているようです。
味わいは紅茶のような優しい甘味とミネラル感。
複雑でバランスが良い感じになっています。
やっぱり以前よりもバランスがまとまってきた度合いがあがっているような。
ミネラル感が結構しっかりしていて、茶樹のパワーが感じとれるような
思わず唸ってしまう様な仕上がりの良さです。さすが。
日本で白茶について学ぼうとすると、最も良いものが白毫銀針、続いて白牡丹、寿眉となります。
もちろんそれは間違いではなく、製法上の制約や手間という部分では正しいのですが
良く勘違いされてしまうのが寿眉だから良くないとか
白毫銀針だから良いものと単純に思われてしまうところを危惧してしまいます。
実際、白毫銀針の安いものと寿眉の高いものは比べものにならない位の価格差ですし
(当然、寿眉の高いものの方が遥かに高いです)
味わいも比べるのが失礼と思ってしまうほどにレベルが違います。
白毫銀針は製法上、大白茶種の芯芽からしか作られませんが
白牡丹や寿眉はそれ以外の部位からも作られます。
味わいや香りが複雑で奥行が出やすいのは白牡丹や寿眉の方ではないかと
私自身は思っていて、美味しい白茶が飲みたいとなると選ぶのは
やっぱり白牡丹や寿眉の方に自然となってきました。
そういった意味でも、この寿眉はミネラル感の複雑さといい
かなり狙ったところをしっかり押さえてくれているように思います。(^^
発酵が結構強めなのも好みですね。
煎を進めていくと清涼感も感じられます。
更に味わいが深くなってきて、3煎目を超えたあたりから
味わいの奥行がぐっと増してくる感じがあります。
さすがという感じですね。
陳年の白茶でここまでバランス良く、CPも良いのはなかなか出会えません。
老師がお勧めしていただけあります。
やっぱりあの人はタダモノではないなぁと改めて尊敬。(笑
褐色の葉底です。
陳年ということもあって柔らかさは程々、しかし弾力はしっかりあります。
本当に様々な部位が入っていて、味の複雑さに納得。
芯の部分もしっかりありますが、実に肥えてふっくらしています。
発酵の度合いも高そうです。
白茶の効能については薬ではないので個人差がありますが
私自身は肌の調子が良くなるなどを実感することが多いです。
とはいえ、白茶であれば何でもよいというのではなくて
芯芽のみで作られた白毫銀針よりも、他の部位も混じった白牡丹や寿眉の方が
顕著に感じられることが多いように思っています。
後は茶樹の力によるものか、無肥料系のものが一番感じるような。
このお茶は無肥料とは聞いていませんが、結構しっかり翌朝に感じることが多いです。
それだけ力のある茶樹から作られたお茶なのかなと思っていますが
本当のところはどうなんでしょうね。(^^