メーカーさんIの岩茶、半天腰です。
2013年の春の摘み取り、畑は天心岩にあります。
半天腰は半天夭(半天妖)、半天鷂(半天鹞)とも呼ばれます。
おそらく元々は半天夭(半天妖)だったのですが
夭(妖)の文字があまり縁起の良いものではないので
同じ発音の鷂(鹞)や腰という文字を使い始めたようです。
鹞は鷹の種類を指す文字で、伝説的にもこの文字が一番しっくりくるのですが
(お坊さんの夢の中に白い鷹が出てきたとか・・・)
多分字画が多いので書くのが面倒ということで
現在は「腰」が一番使われているように思います。(^^;
濃い黒褐色の茶葉です。
細かい艶が見事に美しく、大きさも比較的小さめで均一。
砕けも少なそうです。
火入れはそれなりにしっかり行われています。
濃い褐色の水色です。
透明度も亮度も良く出ています。
岩茶の本流を感じさせるような品格のある花果香と火の香りが素晴らしく
そういえば岩茶ってこういう美味しさのあるお茶だったと
改めて再認識させられるような香りがあります。別格。
味わいはちょっと驚きの奥の深さがあります。
まるで上質なモルトのような奥行きのある味わいで複雑。
余韻が長く、戻ってくる回甘が更に体内で変化していくような感覚です。
雑味などは当然無く、ミネラル感、旨み、甘味が複雑で
何と形容して良いか分からないような、なんだか凄いと思わせるような感じ。
久しぶりかも。こういう岩茶。(^^
ルビー色の水色が本当に美しいです。
見事な高い花果香が素晴らしく、これぞ岩茶といった感じがあります。
ミネラル感、甘味、旨みが複雑に絡み合ってて
まさにシェリー樽熟成のモルトといった感じ。
アルコールが含まれていないのにこの奥行きの深さは凄いと思います。
重火だけに煎持ちは非常に良いです。
とはいえ、重火と感じさせない重さや火の強さはなく
このあたりは火入れの技術が高いというのを感じさせますね。
重苦しくないというか、火が強いけど、そうと感じさせない爽やかさがあります。
これいいよと薦めてくれたのが本当に分かります。(^^
葉底を見るとしっかりと火入れされているのが分かります。
火入れの程度が強いので硬さがあり、砕けもそれなりにあります。
が、肉厚で弾力が強いです。
1枚1枚は柔らかく、手で開こうとすると破れて戻りません。
表面は火入れで硬いけど、中は柔らかいんですね。
久しぶりに好みストライクな岩茶でした。(^^