広東省のお茶屋さんAから購入した2010年の緑茶です。
安徽省が原産で、中でも太平県猴坑(現在は黄山市黄山区)が発祥の地とされていて
その地区で採れたお茶が最も良いとされています。
茶葉に網目がある面白いお茶です。
これはこのお茶の作り方にその由来があるのですが
一芯三葉で茶葉を摘み取った後、更に選別、良い茶葉のみを一芯二葉にして
一枚一枚、網目で出来た棚に並べ、ローラーをかけて平らにし
(このローラーで網目がつくそうです)
下から炭火で乾燥させるという、何とも気の遠くなるような手間がかけられているそうです。
(烘青緑茶)
写真を見たのですが、大変そうです・・・
ただし、これは機械で作った場合の話で(これで機械と言うのかと思いますが)、昔ながらの手法の場合は網目はつきませんし、真っ平らな形状にはなりません。
太平猴魁は茶摘の時期が他の緑茶に比べて1ヶ月以上遅いのですが
(穀雨から立夏までの間なので4/20~5/5あたり?)
この茶葉は穀雨前に収穫されたものらしいです。
しかも最も良いとされている猴坑産で、非常に良いお茶でした。
(一応、最高級とされているランクだそうです)
茶葉は鮮やかな緑色で平ら、網目が綺麗に出ています。
形も整っていて、ちょっと見とれてしまう位に綺麗です。
水色は明るい金色です。(写真だと若干オレンジがかってしまっています)
透明感があります。
味は雑味の殆ど無い感じで、甘いです。
本当に少しだけ苦味があって、それが味の奥行きを出しているような気がします。
このバランスが結構癖になる感じ。
香りは緑茶らしい、うっすらとした蜜の香りです。
また、香ばしさがほんの少し感じられます。
猴韻ってこういう感覚なんでしょうか?
凄くバランスの良いお茶です。
普通に美味しくいただく時の淹れ方では綺麗な金色です。
鑑定杯を使用した際とそんなに色の差がありませんでした。
(写真は水量が違うのでかなり違って見えますが)
茶殻も非常に綺麗。
実際はもっと鮮やかな緑です。(写真は黄色が強く出てしまいました)
新緑を思わせる綺麗な色でした。
芯(新芽)と二葉がそのまま砕けずにあるのが分かります。
葉の形も殆ど崩れていなくて、暫く眺めていたくなる位に美しい茶葉です。