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This article was written on 30 11月 2011, and is filled under delicious teas, 中華人民共和国, 福建省, 青茶 Oolong Tea.

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奇丹


メーカーさんIから購入した岩茶の奇丹です。
2011年のもので、おそらくこれ以上の奇丹を入手できることはそうそう無いと思います。

奇丹というのは大紅袍の本来の名前とされています。
あの有名な武夷山の岩壁にある大紅袍の母樹。
これらの母樹は奇丹、北斗、雀舌という内訳になっていて
みんな合わせて大紅袍と呼ばれるそうです。
そのため、奇丹は大紅袍の本来の名前であり、大紅袍の純粋種とも呼ばれています。
となると横道にそれますが
じゃあ大紅袍って何なのさ?と思う訳ですが(私も思います・・・)
本来はこの母樹3種をブレンドしていたのが大紅袍とされていました。
現在、私たちが普通に入手できる大紅袍はこの母樹から派生したもの。
この派生種に、これは奇丹系、北斗系とかするべきところを
全部ひっくるめて大紅袍としたのではないかと思います。
中には全く関係の無い品種にも岩茶というだけで大紅袍と命名する場合もありますので
実際のところは大紅袍という名の茶樹、お茶というだけなのかもしれません。
(審評の際などに使う、大紅袍らしさというレギュレーションはあります)

で、この奇丹。
メーカーさんで味見させていただいたときに感動するほどに美味しかったため
胃が痛くなる程のお値段でしたが入手してきました・・・
当然ですが鑑定杯の使用はしません。(^^;
比較する対象も無いですし。

砕けが殆ど見られない見事なまでに美しい茶葉です。
葉の形そのままといって良さそうなほどに完全な形を保っています。
細かい艶が全体にあり、葉の大きさも揃っています。
全体的に濃い褐色ですが、火の程度はそんなに強くないのか(軽火でもなさそうですが)
場所によっては若干緑がかった部分もあります。
甘く深い回甘を連想させるような香りがあります。
乾燥茶葉のままでもうっとりするような香りです。


茶壷使用

オレンジの透明感の高い水色です。
茶水がとろっとしているのが印象的です。柔らかい。
香りは見事な上質な花果香。品格のある甘い密やかに華やかな香りです。
軽く火の香ばしい香りと合わさって複雑だけれども見事な甘い香りを形成しています。
味は柔らかく深い甘さと非常に分厚い旨みがあります。
ほんの微かに、普通は気がつかない程度ですが、柔らかい酸味が隠れていて
味の奥行きを更に深めています。
口に含んだときの旨みと甘み、香りで連想したのは上質なコニャックかカルバドス。
Paul Giraud 25YO Extra VieuxかAnge Girard’s Calvadosあたり。
これらと一緒に楽しんでも美味しそう・・・
煎持ちも良いです。
段々と旨みが強くなってくるという不思議な感じで、どんどんおいしくなってきます。
蜂蜜のようなとろっとした茶水は変わらず、柑橘系の果物のような風味が増してきます。
美味しい。
結局翌日に持ち越して楽しめました。何煎飲んだんだろう?

本当に丁寧に作られたお茶なんだな。としみじみ思う葉底です。
美しいとか綺麗とかをもう通り越してしまって
葉の1枚1枚を摘み取りから製品茶になるまで
本当にいたわるように大事に作られてきたのが分かります。
ここまでくると芸術品のようですね。って茶殻に芸術を感じたのは初めてですが・・・
肉厚で適度な柔らかさ、色艶形。どれも素晴らしいです。
現地で試飲したときも凄いとは思いましたが
改めて確認してみて、その凄さが実感できました。
今年いただいた岩茶の中では最高に素晴らしいです。

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