メーカーさんIの岩茶、金牡丹です。
2013年の新茶を譲っていただきました。
金牡丹というのは品種の名前です。
福建省农科院研究所(福建省農科院研究所)が作出した品種で
1978~1999年にかけて铁观音(鉄観音)と黄旦を掛け合わせたものから
更に選択的に株を選び、固定されたようです。
茶樹は潅木型の中葉種です。
ちなみに鉄観音と黄旦の組み合わせを行った新品種はいくつかありますが
私が知る限りではこの金牡丹が一番美味しいです。
なのに少ないというのは栽培が大変とかの理由なのでしょうか?
かなり栽培量の少なく、中国のお茶屋さんでも知らない人が多い品種です。
私はたまたま知っていたのですが、
先日武夷山を訪れた際に「金牡丹はないの?」と聞いたところ
何故、しかも日本人が知ってるんだ!?と驚かれました。(^^;
実際、金牡丹を栽培している茶業さんは全く無い訳ではないので
探せばちらほらと見つけることはできるのですが
(武夷星もあまり良い場所じゃないですが栽培していた筈です)
数が少ない品種のため、かなりお高めな岩茶になります。
ちなみにこれは金牡丹があるかどうか聞いた日に最後の焙煎を終えたばかりのもので
しかも青狮子岩(青獅子岩)という非常に良い場所のものという
製造元で購入してコレですか・・・?というものでしたが
美味しいので清水の舞台から飛び降りてみました。(^^;
褐色の艶やかな茶葉です。
大きさも均一、砕けも殆ど確認できません。
割と小ぶりの大きさで、ほっこりした火の香りと深みのある甘い香りがあります。
美しいです。
鑑定杯は使用していません。
そんなレベルのものでもないので・・・
褐色の美しい水色です。
清らかな甘い花の香りが高く出ています。
爽やかな甘さと蜜蝋、微かな火の酸味、しっかりとしたミネラル感が
非常にバランスよくでています。
岩韻も良く出ていて、回甘が強いです。美味しい。
色々な味わいが上手くバランスよくまとまっていて
爽やかな甘さでありながらも深みがしっかりあるような
凄いなぁと思わせる味わいです。絶品。
ここ数年で一番ヒットかも。
煎を進めると軽やかな柑橘系の果物のような甘い香りへ変化して
これもまた素敵に美味しいです。
段々と華やかになってきて、鉄観音・黄旦系の血筋を感じます。
が、品の良さはダントツ。
煎持ちも良く、底が出るというよりも徐々にフィードアウトするような感じで
いい岩茶だなぁとしみじみ。
非常に美しい葉底です。
肉厚でも弾力のある、ふっくらとした茶葉で、艶もあり、綺麗。
しっかりと醗酵されているのが分かります。醗酵は強め。
火入れによる若干の砕け以外は葉の形そのもので
製茶技術もしっかりしているのが分かりますね。素晴らしい。