四川省雅安茶厂の事務所へお伺いして譲っていただいた康砖藏茶です。
藏茶はあまりまだ日本では知られていないようですが
四川省の雅安で作られる黒茶で、普洱茶などを含む黒茶の中では最も古い歴史を持ちます。
辺境の少数民族へと運ばれ消費される「辺茶」の1つであり
その名の通り、藏茶はチベットへ運ばれ、消費されるお茶です。
(チベットは西藏といいます)
普洱熟茶の製造工程である渥堆の方法はこの藏茶の製造工程を参考にしたと言われています。
四川省雅安茶厂の方の話では、実際にこの茶厂へ技術を学びに来ていたんだとか。
藏茶は海抜1200m以上の霧の多い山深い高地で栽培された茶樹を使用し
32工程もの作業を経て作られているそうです。
この事務所の所長さんが私の師事する先生のお知り合いということもあり
かなり詳しく教えていただいたのですが、本当に多くの工程を経ています。
熟成には5年以上はかけるそうで(状態によっては3年の場合もあるとのこと)
その熟成工程後、初めて出荷されます。
元々の消費地であるチベットではバター茶にして飲みます。
また、このお茶は珍しい煮茶法で本来はいただくお茶になります。
要するに煮出すんですね。
弱火で5~10分程度煮出します。
これを1煎目、2煎目と別々に行い、それらを合わせて(混ぜて)いただきます。
面倒であえば保温ポットに入れっぱなしでもいいですし
上質の紫砂茶器であれば蓄熱効果が高いので
その茶壷に長時間入れておいてもいいそうです。
どんなに煮出しても渋くなったりすることはありません。
もちろん普通のお茶と同じように撮泡法で淹れても美味しいです。
香りと味が一番良いのはこの淹れ方で
普通のお茶よりもちょっと長めに抽出するのがコツです。
味は北方中国では棗、南方では桂圓
広東では王老吉(という涼茶飲料)と言われるそうです。
これは既に散茶の形式になっていて、布袋に入っています。
この1つで半斤(250g)です。
2008年3月26日に出庫された商品になります。
となると2003~2005年に作られていたんですね。時間を感じます。
元々はこんな感じで竹で包まれた大きな固形茶です。
これを崩して散茶にしてパッケージしたものがこの商品です。
布袋の中は素朴な(でも色は派手・・・)わら半紙みたいな紙で包んでいます。
知らない人が見たら単なる腐葉土と思いそうな茶葉です。(^^;
独特の甘い香りがあります。
茶葉には茎も多く含まれていて、事務所の方の話ではやっぱりこの茎が甘みを出すんだそう。
全体的に艶があります。
本来、鑑定杯を使うようなお茶ではないと思うのですが
(そもそも煮茶法ですし)
自分の中で定量化を図るためにも使ってみました。
多分、全然抽出できていないんですよね・・・5分位じゃ。(^^;;;;
透明感のある褐色の水色です。
特徴的な漢方薬のような甘い香りがします。
嫌な香りではないです。
味は非常に柔らかくて甘いです。癖のない甘茶みたいな感じ。
結構どころかかなり美味しいです。
これは茶壷で30分以上抽出したものです。
水色は完全に褐色になりました。透明感は変わらず強いですね。
柔らかい甘みとごく弱い酸味があって味が深くなっています。
美味しいです♪
ただ、別の時にちゃんと煮茶法でいただいたのですが
やっぱりそちらの方が美味しいですね。
煮茶法だと香りもでてくる感じがします。
しっかり熟成された黒茶といった感じの葉底です。
茎も葉も適度にブレンドされているんですね。
このお茶、チベット以外では健康茶として売り出されているようですが(黒茶はみんなそうかも)
これは効くのかもと思ったのは、飲みはじめて暫くすると汗がどっとでてくるんですよね。
どちらかというと「ぶわっと」といった感じ。
その後に凄く体が軽くなるので、体調が悪いときにも集中して飲んだりします。
発酵工程のおかげでカフェインは殆ど含まれていないようですし。
実際に中国では高血圧、高脂血症、糖尿病、痛風・・・などの病気や解毒など
万病に効くお茶状態で紹介されています。(^^;