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This article was written on 04 10月 2014, and is filled under delicious teas, 中華人民共和国, 福建省, 紅茶 Black Tea.

政和工夫野生红茶

福建の茶業さんCの政和工夫野生红茶です。
白茶と紅茶を作っている茶業さんで、無農薬・無肥料の茶園を運営しています。
4月に茶業さんを訪問した際に譲っていただいたもので、
まだ今年のものはなく、これは2013年の5月に摘み取り、製茶されたものです。
茶業さんが自家用に保管していた最後の半斤(250g)を奪い取るように譲っていただきました。(笑

野生紅茶とあるのは茶業さんの説明。
無農薬・無肥料、基本的にメンテナンスを行わない茶園なので
野生茶としているのだと思いますが
日本語で言うところの野生茶じゃないと思っています。
現在、中国では空前の(笑)野生茶ブームなので流行り言葉的な感覚であって
日本で言うような野生茶は殆どありません。
っていうか流通できるほど量がありません・・・というお約束です。(^^;

それでも無農薬・無肥料というだけでも実は本当に大変なことで
生産量は激減しますし、手間もかかります。
当然ながら価格もそれだけ上がりますが、
ここはちゃんと正当な対価をお支払したいところです。
ということで、当初想定していたよりも、ずっとぐっと高価でした・・・orz

ちなみに中国や台湾でお茶を買う際に値切る方が結構いらっしゃいますが
意外と損してしまっているよねぇといつも思って見ていたりします。
ガイドブックなどを見ると(最近見てないけど;)中国では値切るのが基本!なんてありますが
意外とそんな場面って無いんですよね。
はじめからぼったくりな価格設定になっている観光地のお土産屋さん位しか値切る場所が無いような;
ちなみにお茶関係で値切ってみて、まるでお土産屋さんのように価格が下がるような場合は
そのお店は信頼できないものとして試飲代程度に購入を控えるのが無難です。
(試飲しておいて何も買わないのはマナー違反。最低限何かは購入してあげましょう。)
真面目にやっている茶商さんほど真摯な価格設定をしているので
値下げ交渉に応じられない場合が殆どです。
できるとしたら大量に20キロ買うからとか、これも、あれも買うからという条件があって
これだけ買ってくれるのなら・・・と少し値引きしてくれるというのが普通です。
それか同じお店に通うこと。顔を覚えてくれていて、好印象であれば安くしてくれたりします。

価格は引けないけど、これはオマケのお茶ですよとプレゼントしてくれるとか
(しかも単位は日本では考えられない50g単位とかだったりする;)
茶業さん兼茶商さんだったりすると特に現地情報やお茶についての知識などを教えてくれたり
(知識とか情報というものは、本来、とても高価なものです)
本来だったらそういったお付き合いができた筈が
変に値切ることで印象が悪くなってしまって、本当はもっとお値打ち品があったり
良いものがあったりしても教えてもらえなくなったりするんですね。
やっぱり茶商さんも茶業さんも人間ですから・・・
まともな商売をしている茶商さんかどうかの踏み絵に値切ってみるというのはアリですけどね。(^^;
#その場合は必要以上に深追いしないように価格交渉してみます。

黒褐色の縒りのきつい、艶やかな茶葉です。
金毫がちらほらと混じっていて、嫩度は高そうです。
峰苗も確認できます。
大きさも比較的均一。砕けも殆ど無いようです。

高価なものなので鑑定杯は使用していません。

銅色の綺麗な水色です。透明度、亮度が高く美しい茶水に出ています。
香りは落ち着きのある花香。高さはそれほどでもありません。
茶樹品種を尋ねた際に政和大白茶種でもなく、在来の名前の無い品種だと言っていましたが
確かにこの香りの低さは在来種なのかも。
無農薬・無肥料の野生茶と呼ばれるもの(本物で。ですが)には
往々にして香りが改良種のように高く出ない場合があります。
というか、印象としては香りは弱いものが多いような・・・

味わいはぐっと深みのある甘味、爽やかな柔らかい酸味をベースに
何とも言えない複雑なミネラル感がしっかりあって凄いです。
バランスが良いのですが、ミネラル感の複雑さが後を引く感じで
口に含んだ際にはそうでもないのですが
飲み込んだ後の戻り、余韻が見事です。いいお茶ですね。

煎を進めていくと花香が上がってきます。
1煎目よりも2煎目の方が香りがたってくるという。
清らかな品のある花香が素敵です。
味わいもぐっと深みを増してくるような感じで
これが4煎まで続きます。

煎持ちは結構良い方で、紅茶にも関わらず10煎あたりでもう無理かなという位。
(私の淹れ方で。ですが)
やっぱり良い紅茶というのは最終的なCPは良いなぁと実感。

やっぱり綺麗だなと納得できる葉底です。
嫩度が高くて細やか。それでいて力強さもあり、柔らかさと弾力もしっかり。
肉厚さも程よい感じで、丁寧に製茶しているなぁと納得。
かなり煎を重ねた筈なのに葉底から玖瑰香が出ているのも驚きです。

上質な紅茶は年数を置いて後熟成していくと、旨味や甘味に深みが増すので
もうかなり量は少ないですが(半分ほど日本の老師に差し上げてしまいまして;)
少し時間をかけて保管していこうと思います。
変化もまた楽しみな紅茶です。

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