福建の茶業さんCの政和白茶です。
福建省の政和県で白茶を作っている茶業さんで
無農薬はもちろん無肥料で作っています。
2014年4月中旬の摘み取りです。
茶業さんのつけた名称は実は野生白茶。
では野生なのか?というと、日本人が思う野生ではありません。(笑
ここ数年の中国国内の野生茶ブームの殆どは日本人の思う野生ではなく
良い方で無農薬・無肥料、酷い場合には過去には野生だったという場合もあります。
他のパターンとして管理者・所有者がいない場合(管理された茶畑の隣でも)は野生
畑から外れたところに実生で生えてきた茶樹も野生・・・
と、実に私たちの感覚とは違う野生がたくさんあります。(^^;
私たちの考える野生は非常に少なく、生産量もそれほど見込めません。
現地にそれなりの繋がりが無いと入手することすら難しいと思います。
で、この野生白茶は無農薬・無肥料の「野生」です。
茶畑の管理は殆どされていませんが、茶畑にはなっています。
先日この茶畑を見学させていただいてきました。とても良い場所でした。
これを野生と言ってしまう文化の差(大概は悪意によるものではなく言葉の認識の違い)はさておき
近年、こうした無農薬・無肥料のお茶が出るようになるということは歓迎したいと思います。
生産量は農薬や肥料使用よりも格段に落ちますので価格の上昇は仕方が無いのですが。
まだ緑色を残す色調です。
醗酵はそれなりにあるのか、場所によっては褐色になっています。
白毫で覆われていますが、政和大白茶種になるため少なめ。
(福鼎大白茶種は白毫がびっしりしています)
基本的に芯か一芯二葉程度で摘み取られています。
大きさはほぼ均一、砕けもほとんどありません。
本来は鑑定杯を使用するようなレベルのお茶ではありませんが、あえて。(^^;
綺麗な花香が高く出ています。
味わいは見事な甘味、喉にへばりつくような濃厚さで出ています。
ちょっと凄い。
粘性が強い茶水で回甘もしっかり。
ミネラル感と滋味もしっかり感じられ、バランスよく仕上がっています。
爽やかな清涼感も感じられ、見事という味わいに。
白金色の見事な水色です。
透明度も亮度も素晴らしく高く、久しぶりにこんな綺麗な水色を見たと思うほど。
香りは甘い花香。素晴らしく高く出ています。
味わいは濃厚な甘味。この独特の甘味は砂糖を添加しているんじゃないかと
疑われそうな位にちょっと凄いものがあります。
ミネラル感と滋味が合わさり、粘性のある茶水の効果もあってか
余韻がとても長いです。
今年一番の白茶はこれかなぁと思うほど。
特にこの独特の甘さは特筆もので、この茶園の土地由来のもののようです。
先日伺った際にいただいたお茶も同系統の見事な甘味がありました。
見事に肥えた芯で構成された葉底です。
意外と外観で思ったよりも醗酵は高め。
肉厚でしっかりしていて、弾力の強い葉底で非常に美しいです。
基本的に一芯一~二葉になっているようで、丁寧に摘み取られています。
茶業の老板自ら茶摘をしていたのが思い出されるようです。(笑
(人件費高騰のため自ら茶摘していました)
今年は4月からかなりの種類の白茶を試飲しましたが
その中でもダントツに甘く美味しいのがこの白茶でした。