茶農家さんFの野生白牡丹です。
福建省政和の白茶の作り手さんによるもので
これは山中に自生している野生茶樹(在来種)から作られたものとのこと。
白茶は美肌効果などで知られるお茶ですが
これは作り手さんの奥様が自分と友人用にと作ったもの(作らせた?)を
譲っていただきました。
野生茶樹ですので本数も少なく、年間10斤(5kg)作れるかどうかという貴重なお茶です。
お茶と知らなければ単なる枯葉と思いそうな外観です。
褐色から深緑、黄緑から白毫の白まで混ざった色合いです。
まるで五色茶。
葉の形は概ねそのまま。
若干の砕けはありますが、揉捻していない茶葉でこれは
かなり丁寧に作られていると思います。
爽やかな甘い香りがあります。
優しい甘い香りです。
香りの高さも十分、清涼感も伴った甘い香りで心地よいです。
透明度の高い褐色の水色は亮度も非常に高く出ています。
少し粘性のある茶水で、茶質が良く出ているようです。
複雑で柔らかく、ちょっと驚く感じの深みのある甘い味わいです。
爽やかな酸味が微かに感じられて、実に深く分厚いと感じる味の構成です。
のど越しが素晴らしく良く、回甘は当然ですが余韻が長い。
体の中から良い香りが上がってくるような、そんな感じがあります。
奥様が自分用だから売れなくていいと言い切ったのも分かります。絶品。(^^
薄い金色の水色です。透明度、亮度共に素晴らしく、宝石のような美しさ。
甘い花香が優しく出ています。桜餅っぽい感じ。
特筆すべきはこの甘さ。
深みのある滋味溢れるという言葉が浮かぶような、複雑で優しい甘さが心地よいです。
下手な言葉は必要ないという位に美味しいです。
煎を進めると紅茶っぽいニュアンスが出てきます。
それまでとは違う面の旨みが立ち上がってくるような。
上質なシナモンティーのようです。
清涼感を伴った旨みが出てきて、まさにシナモン(ニッキ)。
一貫して甘いのですが、この変化がまた美味しい。
葉。そのものの葉底です。(^^;
意外と醗酵は進んでいる様子です。
芯の部分も多く、野生茶樹の荒々しさを残しながらも
肉厚で柔らかい葉で構成されています。
一芯二~三葉で摘み取られているようです。
茎も多いですが、柔らかく、山菜の佃煮のような感じ。
凄い労力をかけて大事に作られたお茶なんだなとしみじみ。