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This article was written on 12 5月 2013, and is filled under delicious teas, 中華人民共和国, 雲南省, 黒茶 Dark Tea.

易武丁家老寨 春茶

中国の茶商さんAからいただいた易武丁家老寨 春茶です。
2012年の春茶になります。

易武山の丁家老寨と呼ばれる集落で作られた普洱茶です。
丁家老寨のお茶はあまり流通量は多くないことなどもあり(価格とかも・・・)
殆ど日本へは輸入されていませんが
中国はもちろん、香港や台湾などでは評価の高いお茶として知られています。

このような質の良い普洱茶は殆ど固形茶にされ、散茶のまま出荷されることはありません。
これは珍しい散茶の状態ですが、それは毛茶(荒茶)なので。
サンプルに取っておいてくださったこのお茶以外は固形茶になったそうです。

普洱茶の場合、質の良いものは殆ど固形茶にされます。
逆を言えば、質の低いものは散茶として出荷されるということ。
日本の方は固形茶を敬遠して散茶を選ぶ傾向があるようですが(楽なんですけどねー)
同じ金額だったら固形茶の方がもっと質がいいよねっていうこともチラホラ見かけたりして
結構もったいないなぁと思うことがあります。
慣れると崩すのも難しくないので、ぜひ固形茶も手を出していただきたいなと思います。
それと固形茶にするための「蒸し」の工程で結構味も変わります。
柔らかく深みが出てくるようになるのですが、(最近流行りの白茶の固形茶も同様です)
散茶には無い深みと柔らかさです。

白毫が綺麗に光っている美しい茶葉です。
輸送中に若干砕けてしまいましたが、基本的には摘み取った形そのままの美しい葉です。
白毫がびっしりついた黒褐色の大葉種らしい大きい葉です。
嫩度も高く、大きさも揃っています。
爽やかな香りも感じられます。


蓋碗使用

1回分のみのサンプルのため、鑑定杯は使用していません。

粘性の強い、トロっとした茶水です。
黄褐色の透明な水色で、亮度もそれなりに確認できます。
爽やかな花香から蜜香へ変化していく感じがあります。沈香も少し。
優しい丸い甘さと微かな苦味があり、バランスが良いです。
ほっとするような優しさを持っているけど
しっかりと筋の通った旨さが実は隠れているみたいな感覚。
最後に清涼感を感じるような形で甘さが戻ってきます。
美味しいです。

煎持ちはあまり良いほうではないです。4煎が限度といった感じ。
これは毛茶だからということもあるかと思います。
私の淹れ方で普洱茶なのにこれはちょっと早いかなと。

葉底は文句なしに美しいです。
柔らかくてふっくら、モチモチした弾力があります。
茎も春茶らしい柔らかさです。
若干、枝に近い部分も混在していますが、こちらは硬いです。

易武らしい優しさのある美味しいお茶でした。
春茶なので香りが気持ち低い感じがしますが、このあたりは仕方ないですね。
雨量の関係で春は水分が多く、柔らかいけれど香りが低くなりがちです。

この土地の秋茶も試してみたい気にさせるお茶でした。
香りは秋茶の方が良い場合が多く、春茶とのブレンドも良かったりします。

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