下关茶厂(下関茶廠)の普洱生茶です。
普洱茶の茶師の中でも有名な方が何人かいらっしゃるのですが
そのうちのお一人、叶炳怀(葉炳懷)氏によるものになります。
元々、下関茶廠は叶炳怀氏の監修による
易武山の中でも選りすぐった特別な場所から摘み取られた茶葉を使ったシリーズを
绿大树系列として1999年からリリースしていますが
生産開始10年を記念し、数量を限定して作られたのがこのお茶です。
かなり気合の入った作りのようで、原料茶葉から厳選しているとのこと。
叶炳怀氏自ら製茶に携わっているそうです。
少し落ち着きを見せてきたとはいえ、まだまだおかしな高値をつけている普洱茶の中で
C老師がこれはお勧めと教えてくださいました。
現地で試飲させていただきましたが、美味しさといい、価格といい
流石老師と思わせるセレクトで、すっかり気に入ってしまいました。(^^
黒褐色を基調にした艶やかな餅面です。
自然な艶が非常に美しく、白毫の銀色が混ざって余計光って見えます。
爽やかな陳香が感じられ、嫌な香りは感じられません。
外面と里面(内部)の配方は同じです。
適度に茎も配方されているようで、崩した時の印象はまずまずの好印象。
緊圧の程度は普通、気持ち柔らかいといったところ。
里面の方が更に艶やかな感じです。
とても上質なものなので鑑定杯は使っていません。
ただし、味わいをきちんと確認したいので、茶壺ではなく蓋碗で。
褐色の美しい水色です。
透明度、亮度共に高く、琥珀のような色合いになっています。
心地よい軽めの陳香に花香、微かに樟香もあります。若干、棗のニュアンスも。
そして味わいの甘さに驚きます。
優しい柔らかい甘味がしっかりと驚くほどに出ています。
柔らかい酸味と合わさって、まさに果汁系のバランス。
ミネラル感もしっかりあって、
大地にしっかりと根ざして育った果物の果汁をいただいているような感覚です。
煎をすすめていくとさらに酸味と甘み、ミネラル感のバランスが際立ってきて
これが絶妙に複雑で美味しい。
さすがだなぁと唸りたくなるような美味しさがあります。
凄い。
少し湯温が下がるとまた表情が変わって、底力のあるお茶だなぁと感心させられます。
ちょっとここ数年でこのレベルでは一番のCPの良いお茶かも。
褐色の葉底です。
しっかり熟成が進んでいますね。
みちっとした密度の高い、しっかりと肉厚の茶葉ですが
柔らかさと弾力はしっかりとあります。
芯の部分も茎の部分もバランスよく配方されているような印象です。
いくつかの葉脈を確認してみましたが、しっかりと太く
話通りに老茶樹から作られていると信じて良さそうな感じです。
葉底を見ても真面目にちゃんと、そして気合を入れて作られているのが伝わってきます。(^^