昨年12月に暁芳窯のギャラリーを訪問した際に譲っていただいた粉彩の茶壷です。
暁芳窯といえばとても有名なのでご存知の方も多いとは思いますが
改めて説明を簡単にすると、1975年に台湾の蔡曉芳先生が創設した工房です。
古代中国の釉薬を研究しておられ、その失われた技術の復刻をされ
台湾の故宮博物院に収蔵された作品のレプリカ製作を依頼されています。
(故宮博物院の展示や海外展示に使われているそうです)
各国王室からの依頼も受けていらっしゃったり、まさに現代の官窯です。
近年は人気が高く、作品の入手が困難になってきました。
オーダーしても5年、10年待ちなら良い方なんて話も聞くほどです。
実際にギャラリーに展示されている作品の中でも
この粉彩の美しさに魅かれてしまって
本当は蓋碗のものが欲しかったのですが
蔡先生とお付き合いのある知人や老師がいることもあって
この茶壷なら・・・と特別に譲っていただきました。
ありがとうございます!
桃と蝙蝠の吉祥柄です。
絵付けの素晴らしさは当然ですが
この造形と透けるような美しい磁器肌が本当に美しいです。
絵柄と空間のバランスも良いですよね。
実際、大陸の景徳鎮などでも良いものは作られているのですが
この磁器肌の気持ちよさを持つものは殆ど無いように思います。
(というか現代のもので見たこと無いです)
また、空間を使った絵柄というものもないですね。
柿右衛門でも今の代になってから空間の使い方が微妙になってきてますし・・・
このあたりが暁芳窯の素晴らしさでもあると思います。品格があります。
実際にギャラリーではこれと同じ茶壷(絵柄は違います)で
蔡先生自ら台湾茶を淹れてくださいました。
色々とお話させていただいたのですが
お人柄がにじみ出てくるような、ほっこりとニコニコした方で
この作品の気質はまさに蔡先生の優しいお人柄によるものなのだなと納得していました。
石榴とリスの吉祥柄で作られた粉彩蓋碗とその一式をお願いしてきました。
何年かかるか分かりませんが、楽しみに出来るのを待っています。(^^