北京でお世話になっている老板が紹介してくださった
メーカーさんFの正山小种(正山小種)です。
伝統派の系統である龍眼香系統で強めの中焙煎、2011年の夏茶です。
黒褐色の茶葉です。
艶があり、葉の大きさもそれなりの大きさがあります。
しっかりと焙煎香があります。
明るい褐色の水色です。
透明度はかなり高い方だと思います。
龍眼香のような焙煎香がしっかりありますが、柔らかく
その中に遅れて上品な花の香りも感じることができます。
この花の香りが何とも言えず良いバランスです。
味は深みのあるさっぱりした甘さがあり、雑味は感じません。
非常にクリアな感じで、柔らかい微かな渋味が味の奥行きを作っています。
飲み続けられる美味しいバランスです。
鑑定杯では強めに出ていた焙煎香ですが、かなり控えめになっています。
とはいえ、しっかり存在感はあります。
逆に花の香りが強く出てきて、龍眼香と合わさって複雑な深みのある甘い香りになっています。
その香りの品の良さといい、大人の紅茶といった感じです。
味は爽やかでありながら濃厚に甘く、実に分厚い味になっています。
一本筋の通った強さを秘めた正統派といったところでしょうか?
素直に美味しいと思える正山小种です。
実際、こういう正山小种って簡単に出会えないんですよね。
夏茶らしく、ある程度成長したしっかり目の葉底です。
葉もふっくらと厚みがあり、葉底本来の柔らかさと
強めの焙煎による硬さとが同居しています。
昔ながらといった感じの葉底で好印象です。
揉捻や焙煎で若干砕けているものの、概ね綺麗な形を保っています。
葉の大きさも大きすぎず、小さすぎずといった感じで
最近の流行とは一線を画しています。
こういう仕事をしてくれるのって嬉しいです。