汤宣武の匏尊という名の茶壷です。
匏尊というのは伝統的な茶壷の型に挙げられるもので
汤宣武だけでなく、多くの作家が作る形でもあります。
こういった伝統的な形状の茶壷は多く
美人肩とか西施、如意なども有名な型になります。
それだけに細かなバランスや質感、造形の良し悪しがはっきりと現れます。
機会があれば同じ型の茶壷で様々な作家のものを並べてみると分かりやすいです。
バランスの良いものから、造形が狂っているものや、垢抜けないもの
土質が柔らかいもの、硬く締まっているものなど
はっきりと分かります。(^^
匏尊は元々、酒器の形状を指しているものです。
匏は匏瓜、日本語ではユウガオの変種と訳されますが
実際は瓢箪の一種といった方が分かりやすいと思います。
(瓢箪もユウガオの一種なんですが)
形は様々ですが、概ね日本の瓢箪よりもくびれが緩やかな感じの瓜です。
尊はこの一文字で酒壷を意味します。
ですので、匏尊というと瓢箪の一種で作られた酒壷という意味になります。
この茶壷の紫砂泥料は私にしては珍しく朱泥です。
ちょっと大きめの茶壷が欲しいなということで
紫砂マニアの茶商な友人にお願いして大ぶりの茶壷を探していただきました。
で、作家の名前を聞かずに10個位並べて選んでいたら
やっぱりまた汤宣武のものを選んでいたという・・・(^^;
西施を選んだときにも思いましたが
同じ匏尊でも土質と品のある造形が違うんですよ。本当に。
かなり大ぶりの茶壷です。
通常であれば握力を鍛えておかないと
お湯を注いだら片手で持ち上げるのが辛い位の大きさです。(^^;;;
が、手のなじみが良く、扱いやすいのは流石。
それと気持ちよい位に陶肌が硬くていいです。
ちょっと惚れ惚れ。(^^
下しに慧苑肉桂を使ったという豪気なことをしながら(笑)
岩茶用にと鍛えています。
茶葉とお湯を入れたまま1晩ということを2回。
普通に岩茶を淹れるのに使うこと4回程で味や香りがぶれなくなりました。
やっぱり茶壷の下ろしはこの程度の期間(1週間位)で終わって欲しいんですよね。
短気なもので。(笑