メーカーさんIの岩茶、雀舌です。
三坑两涧の1つ、流香涧(流香澗)で作られている正岩中の正岩茶です。
以前のエントリで雀舌という品種は近年になって新たに武夷山外から持ち込まれた品種と
大紅袍母樹の構成樹の1つを移植したものとあるのではないかと書いていましたが
現地の茶業さんや有識者の方々に確認したところ、
その通りで、両方のタイプが存在しているのではということでした。(^^
で、こちらは後者の大紅袍母樹系統の雀舌です。
しかも流香涧という超エリート的な岩茶で、お値段もエリート・・・
しかし、色々試飲したのですが、同じ雀舌でも全く別物という位に味わいや香り
余韻などが違うんですね・・・
良く岩茶は岩によって味わいが違うとか岩韻がある・ない・違うなんて言われますが
このクラスの岩茶を味わうと本当に実感できます。別物です。(^^;
雀舌という品種自体は育てやすいということもあってか
正岩、半岩、外山問わずかなりの量が栽培されています。
その分、味わいや香りも様々で、着香?と思う位に華やかで煌びやかな香りのものもあれば
さすが大紅袍母樹の構成品種だなと納得できる位に落ち着きと深みのある
品格を感じるような香りと滋味溢れるタイプまであります。
前者のタイプは流通する雀舌の多くを占めているような感じで
後者のタイプは意外と出会わないなという感覚です。
実際の元品種の系統が新品種か大紅袍母樹系統かという違いもあるかもしれません。
2011年の岩茶を後熟成させていたものです。
このクラスの岩茶には良くあることですが、とても優秀な滋味を持っているのですが
そのパワフルなミネラル感故に後熟成した方がベストという状態で
ずっとメンテナンスしてきたものです。
黒褐色と褐色の茶葉です。
細やかな艶で覆われていて輝いているように見えます。
葉の大きさは気持ち小さめ、砕けなどは殆ど確認できません。
大きさも均一、甘い落ち着きのある華やかな香りが感じられます。
鑑定杯は使用していません。
何といっても流香涧ですし・・・
黄金色の透明度の高い水色です。亮度も非常に高く出ています。
香りはびっくりする程に綺麗な花香。遅れて蜜蝋っぽさも感じます。
味わいは柔らかい酸味と甘味があり、そこにしっかりとしたミネラル感が加わって
見事な岩韻が加わった上質な柑橘系果汁のような感覚。
華やかな花香のベースに岩韻がしっかり乗っているような
品格を感じる素晴らしい味わいがあります。
そしてまだまだパワフルで香りが素晴らしい。びっくり。
煎を進めていっても回甘がとても強くて
その力強さに驚きます。
パワフルですが、柔らかく優しい。
そして、これぞ岩韻という滋味がずっと体の中から上がってくる感覚です。
煎持ちが非常に良く、少しグロッキー状態でやっと葉底の確認。(^^;
本当に美しい葉底だなとしみじみ。
柔らかく弾力があるのはもちろんですが、葉の形そのもので艶やか。
醗酵は強めのようです。