台湾の作り手さんGの渓頭高山茶 2012春茶です。
標高1100m前後の茶畑から作られた高山茶になります。
この作り手さんも非常に頑固でまじめな方で
2012年の秋以降、渓頭では雨が多くて茶樹の状態が良くないということで
早々に冬茶の摘み取り、製茶を断念してしまうような凄い方です。
冬茶を作らないというのは、その冬の収入が0になってしまうということなので
普通は状態が悪くても作ります。死活問題になりますから。
渓頭高山茶をはじめ、台湾高山茶には伝統というほどの歴史は無いのですが
流行に流されない、少し古い作り方を今も守っている方です。
とても葉が小さく団揉されています。
若干大きさにばらつきがあるものの、その小ささから「お米?」と言いたくなる様な
(そこまで小さくはありませんが;)
ちょっと驚くほどの小ささです。
深緑と明るい緑が混ざった色で艶もしっかり出ています。
茎もありますが、台湾茶にしてはかなり少なめのようです。
甘い高山茶らしい爽やかな香りがあります。
薄い黄色の綺麗な水色です。透明度も亮度も高く綺麗。
高山茶らしい花の香りですが、渓頭独特のタイプで桜餅を連想させるような
上品に清らかな感じで非常に高いです。
香りの持続性も非常に良く、茶葉が冷え切ってもまだ香ります。
味は柔らかく甘く、旨みがしっかり出ています。
収斂味までいかないような奥行きがあって、深い味わいになっています。
1煎目も2煎目もあまり変化は無く、煎持ちもよさそうです。
苦味や渋みといった感じが残る気配はありません。
茶質が良く出ていて、トロっとした口あたりのも好印象です。
美しい金色の茶水です。透明で亮度が本当に高いのが分かります。
茶質がとてもよく出ていてトロっとした口あたりで
甘い桜餅のような香りが本当に心地よいです。
甘く旨みの深い味わいで、高山気も十分。
さっと軽く入れると高山気をしっかり楽しめるお茶に
じっくり淹れると旨みの強いしっかりと味わえるお茶になります。
雑味がないので、淹れ方を変えて楽しめるのも魅力です。
煎持ちも十分。ちゃんとしっかり作られているのがわかります。
驚く位にふっくらと柔らかい葉底です。
桜餅に使ったら美味しそうと思う程に柔らかく香りが良いです。
(桜餅の桜の葉の方が遥かに硬いですが、桜餅を思わせる香りがあるので)
葉の砕けも殆ど無く、自然と切れているものはありますが
砕けといった感じではなく、殆どがそのままの形で残っています。
肉厚で柔らかく、煮込んでもこうはならないだろうなという葉で
均一に醗酵されているのも分かります。