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This article was written on 17 1月 2013, and is filled under delicious teas, 南投県, 台湾, 青茶 Oolong Tea.

渓頭高山茶 2012春茶

台湾の作り手さんGの渓頭高山茶 2012春茶です。
標高1100m前後の茶畑から作られた高山茶になります。

この作り手さんも非常に頑固でまじめな方で
2012年の秋以降、渓頭では雨が多くて茶樹の状態が良くないということで
早々に冬茶の摘み取り、製茶を断念してしまうような凄い方です。
冬茶を作らないというのは、その冬の収入が0になってしまうということなので
普通は状態が悪くても作ります。死活問題になりますから。
渓頭高山茶をはじめ、台湾高山茶には伝統というほどの歴史は無いのですが
流行に流されない、少し古い作り方を今も守っている方です。

とても葉が小さく団揉されています。
若干大きさにばらつきがあるものの、その小ささから「お米?」と言いたくなる様な
(そこまで小さくはありませんが;)
ちょっと驚くほどの小ささです。
深緑と明るい緑が混ざった色で艶もしっかり出ています。
茎もありますが、台湾茶にしてはかなり少なめのようです。
甘い高山茶らしい爽やかな香りがあります。


鑑定杯使用(左:1煎目 右:2煎目)

薄い黄色の綺麗な水色です。透明度も亮度も高く綺麗。
高山茶らしい花の香りですが、渓頭独特のタイプで桜餅を連想させるような
上品に清らかな感じで非常に高いです。
香りの持続性も非常に良く、茶葉が冷え切ってもまだ香ります。
味は柔らかく甘く、旨みがしっかり出ています。
収斂味までいかないような奥行きがあって、深い味わいになっています。
1煎目も2煎目もあまり変化は無く、煎持ちもよさそうです。
苦味や渋みといった感じが残る気配はありません。
茶質が良く出ていて、トロっとした口あたりのも好印象です。


蓋碗使用

美しい金色の茶水です。透明で亮度が本当に高いのが分かります。
茶質がとてもよく出ていてトロっとした口あたりで
甘い桜餅のような香りが本当に心地よいです。
甘く旨みの深い味わいで、高山気も十分。
さっと軽く入れると高山気をしっかり楽しめるお茶に
じっくり淹れると旨みの強いしっかりと味わえるお茶になります。
雑味がないので、淹れ方を変えて楽しめるのも魅力です。
煎持ちも十分。ちゃんとしっかり作られているのがわかります。

驚く位にふっくらと柔らかい葉底です。
桜餅に使ったら美味しそうと思う程に柔らかく香りが良いです。
(桜餅の桜の葉の方が遥かに硬いですが、桜餅を思わせる香りがあるので)
葉の砕けも殆ど無く、自然と切れているものはありますが
砕けといった感じではなく、殆どがそのままの形で残っています。
肉厚で柔らかく、煮込んでもこうはならないだろうなという葉で
均一に醗酵されているのも分かります。

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