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This article was written on 18 6月 2014, and is filled under delicious teas, 中華人民共和国, 福建省, 青茶 Oolong Tea.

牛欄坑 金毛猴

メーカーさんIの岩茶 金毛猴です。
なんと牛欄坑の岩茶です。
美味しかったので自分用に入手してきました。

小さめの茶葉です。
黒褐色に白毫の銀色と褐色が混ざったような色合いになっていて
全体的に艶がとても目立ちます。
一般的な岩茶の艶とはまたタイプの違う華やかな艶やかさで、
金毛猴の名前の由来とはまた違うけれども、金色の毛皮を連想しそうな感じです。
元々、金毛猴の岩茶自体が高いのですが、これはその中でも・・・な高さのもの。
そんなこともあってか、今までに見たことのある金毛猴の中では
ダントツに美しい外観の茶葉です。
(まぁ外観だけなので美味しいとは限りません。)
茶葉の大きさは不均一。細かいものから葉の形を残しているものまであります。
ただし、岩茶に関しては均一度はそれほど重要ではないので
マイナスイメージはありません。

鑑定杯を使用するレベルではないので茶壷で。


茶壷使用

金色の水色です。
透明度は普通。若干濁っています。
これはおそらく水質によるもので、パワーのある岩茶には良くある濁り方です。
硬度を変えると濁りは消えます。大体。
亮度はしっかり良く出ています。
香りは火の香りに見事な蜜香、最後に綺麗で品を感じる花香が非常に高く出ています。
味わいは見事なミネラル感、蜜蝋、柔らかい甘味と滋味が複雑に
でも軽やかにバランスよくまとまっています。凄いですね。
使用しているミネラルウォーターが軟水なのですが
硬くしたらまた結構化けそうな感じのお茶です。見事。

2煎目になると綺麗な梅香。味わいも見事に深みを増してきます。
なんというか格の違う美味しさ。
このあたりは牛欄坑のパワーと茶師さんの技術の高さ故ですね。

そこそこの品質の岩茶しか知らなかった頃は
岩によって味わいが違うってもそこまでじゃないでしょう?と思っていたりしたのですが
ちゃんとした品質のものを味わうようになると当たり前のように思えてきます。
岩韻ってこれでいいのかなぁと思っていたのがバカらしくなるような感覚です。
(そんな頃もあったんですねぇ;)
実際、岩韻ってどんな感覚ですか?とかご質問を受けることがあるのですが
言葉で聞いて納得するものではなく、飲んでみて納得するものだと思います。
中国茶を勉強したいと思っている方は、岩茶に限らず可能な限り上質なお茶を味わって
(価格が高いという意味ではないです。残念ながら大概高いですけど・・・;)
そのお茶本来の限界や特性を見極めた方が近道です。
評茶にしても、泡茶(お茶を淹れる)にしても、本当に美味しいものを知らないと
どこを目指すべきか分からなくなってしまいます。
知っていれば普通に日常的に楽しむレベルのお茶も、
そのレベルを目指して欠点を隠したり
長所を伸ばしたりして淹れることができるわけですが
最終的に目標とするイメージが低いレベルだったり、固まっていないと無理なんですね。
実は泡茶もちゃんとできるようになってくるとかなり違うんですよ。
酷いお茶でも美味しく淹れることができるようになったりします。(^^
実際、それはそれで買い付け時の試飲で困ることになるのですが
(身体に染み込んだ習性として欠点を隠してしまうから)
ちゃんと手順に則った審評方法にするか、
他人に淹れてもらうかでカバーすることでクリア。

そういった意味ではお手本、指標になるような金毛猴です。
これを越える金毛猴ってなかなか無いんじゃないかな。
煎持ちも良く、かなり長く楽しめました。軽く10煎以上。
液量換算したら、それほど高くないような気がしてきました。(笑

予想以上に美しい葉底です。
艶やかでピカピカ。
肉厚で弾力のある葉はムチムチという感じ。
火入れによる砕けはあるものの、概ね小さめの葉でそろえているようです。
しっかりと醗酵されている様子も伺えます。
火の程度は中火といった感じ。

メーカーさんといっても決して大規模ではなく(小規模でもないけど)
現地で昔から茶業を営む親戚一同といったところなのですが
また、この親戚一同、良いところに畑を沢山持っているんですよね・・・
牛欄坑にももちろん畑があります。
工場長の奥さまのお父様の場所だとか、自分の場所だとか色々。
そのうち旅行記の方でもご紹介したいと思います。(^^

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