国内の中国茶専門店Aで購入した2010年の特級正山小種です。
正山小種はラプサン・スーチョンという名前の方が馴染みがあるかもしれません。
アールグレイ紅茶の原型としても有名です。
名前の「正山」というのは、原産地の福建省武夷山周辺の星村、桐木関といった地名を表していて
「小種」はこの地域で自生している茶樹品種の名前で
生えている茶樹が少ないという意味になります。
確かに荒地みたいなところにポツポツと茶樹があったりします。
知らなかったら単なる険しい山の中みたいなガレ場で茶畑には見えません・・・(^^;
基本的には立春(2/5頃)から収穫(春茶)されますが
小暑(7/5頃)から収穫(夏茶)する場合もあります。
製造時、萎凋(茶葉を放置して水分を蒸発、芳香物質を生成させます)工程や乾燥工程において
松の枝や皮を燃やして温度を上げていきます。
この独特の製法で燻香が茶葉につきます。
良く言われる正露丸臭いと呼ばれる香りですね・・・(^^;
実は、中国国内流通する茶葉はそんなに燻香はしません。
この製造方法は茶葉を作る建物(結構大きい木造3階建て位)ごと温度を上げるので
実は日本で良く入手できるような強い燻香はつかないです。
主に欧州輸出用の茶葉は香りを強く出すために追加で燻製します。
ロンドンで正山小種をいただいたことがありますが、あちらの水はかなり硬い水なので
日本でいただくほど香りも味も強く出てこないため、追加燻製で丁度良いんですね。
ミルクも入れることですし。(^^ヾ
日本に入ってきている正山小種の殆どは輸出用だったり
場合によっては欧州経由で輸入されているので正露丸臭が強いものが多いです。
結構黒い、マットな質感のある茶葉になっています。
乾燥茶葉の状態で圧倒される燻製香が上述の輸出用茶葉であることが分かります・・・(^^;
最近は大陸で購入することが多かったので久しぶりにダメージが。
好きな香りではありますが、強すぎるのは苦手です。
水色は濃い赤みがかった赤茶色です。
茶葉の感じからだともっと濃くなるかと思いましたが、予想よりも明るい水色でした・・・
味は非常にすっきりしていて美味しいです。
爽やかな甘味があって渋みや雑味がありません。
お茶としては上質なものではないかと思います。
香りはやっぱり強い燻香です。
水色は暗いオレンジ色。
味は変わらず、すっきりとしていて甘みもあり、美味しいです。
香りも大分ソフトになって燻香は強めとはいえ、上質な天然アールグレイみたいな感じに。
普通の淹れ方は美味しいですね。
茶殻は見た目より柔らかく、全体的にこげ茶色ですが
若干、緑がかった部分も見られます。