国内の中国茶専門店Aで購入した2010年の特级明前東山碧螺春(特級明前東山碧螺春)です。
碧螺春という名前は色が緑(碧)、茶葉の形が巻貝(螺)に似ていて
春に摘まれることから来ています。
これも龍井茶と同様に早く摘み取られた茶葉を良しとし、
明前や雨前といって重宝される緑茶でもあります。
実際は春分(3/20前後)から穀雨(4/20前後)まで収穫されています。
江蘇省蘇州太湖洞庭山が産地になります。
太湖というのはこの土地にある大きな湖です。
湖の中にある島を西山(洞山)といい、湖に突き出した半島を東山(庭山)といい
その2つをあわせた地名が洞庭山とされています。
発祥地は東山の方で、こちらで採れた茶葉の方が良いとされています。
また、東山は今も茶畑の間に果樹を植えて茶果間栽培地となっているそうです。
果樹を植えることで霜や雪を避け、日差しの調節などに役立つ他
果樹の香りが茶葉に移るとされています。(そんなことはないと思いますけど)
茶葉は非常に細かく、名前の通り巻貝のように螺旋状になっています。
産毛がとても多くて、緑と産毛の白さが非常に綺麗です。
揉捻が素晴らしく綺麗ですね、
産毛は最初からフワフワ出ているのではなく、この揉捻の際に一瞬で出てくるそうです。
(搓団提毫)
煙い香りがしています。
聞いたところ、殺青か乾燥時に焦げた茶葉が同一保管場所に混入してしまったそうで
茶葉の質が良いのに香りが移ってしまったとのこと。
(炒青緑茶)
煙さで分からなくなりそうですが、控えめな甘い花の香りもしています。
残念ですね。
味は龍井茶とは違う独特の爽やかな深みのある甘味がします。
苦味や渋みは殆ど感じられません。
水色は薄い金色。
産毛が多いので茶水に産毛が浮いています・・・
殆ど水色の変化は見られません。
茶殻は非常に綺麗な黄緑色。
非常に細かい葉で確認するのに苦労する位でしたが、ちゃんと一芯一葉になっています。
乾燥茶葉の形を見る限り、相当に強い揉捻だと思うのですが
茶殻は全くといって良いほどに茶葉の損傷がありません。
煙ささえなければかなり良い茶葉だったと思います。