台湾の老師から譲っていただいた甲级绿印青饼です。
1999年の製造で香港乾倉から台湾乾倉です。
青餅と言われることから分かるように生茶になります。
猛海茶区の野生喬木茶樹から作られていると言われています。
印級茶については乙级蓝印青饼で説明している通りで
この甲級緑印青餅も最近復刻版が作られています。
もちろん、この甲級緑印青餅は近年の復刻版ではなく
普洱茶工場が民営化される2000年代中頃以前のものです。
復刻版を含む2000年以降のものはまだボチボチみかけますが
90年代のものは偽物以外はそろそろ見かけなくなってきました。(^^;
偽物が作られるほどに評価の高い甲級緑印青餅ですが
このお茶は由来もはっきりしている本物です。
芽などの若い葉が多く使用されている乙級に対して
この甲級は比較的成長した葉が使用されています。
黒褐色に白毫が混じった色調で艶やかです。
黴臭さなどの異臭もなく、穏やかな陳香があります。
熟成が進んでいて、餅茶の端から手で楽に崩せます。
このあたりは熟成に向いている成長した葉を使っているからこそ。
艶のある茶葉は崩したあともしっかりと美しさを保っています。
綺麗♪
オレンジ色の透明度が高い美しい水色です。亮度も高いです。
微かな陳香と梅香があります。
非常に柔らかく、奥行きの深い甘さと旨みがあり、文句なしに名茶といった感じ。
柔らかい微かな酸味が優しくて梅香を引き立てています。
ミネラル感もかなりしっかり出ています。
黴臭さなどの異臭はなく、陳香も微かに残るのみとなり
飲んでいる時には特に気になりません。
乙が普洱茶の苦手な人でも美味しいと感じる、滇紅のような分かりやすい甘さだったのに対して
甲は複雑なミネラル感と旨みが引き出す大人の味わい、普洱茶マニア好きのお茶といった感じ。
まさに甲乙つけがたいです。
10煎を越えたあたりから甘さも増してきて蘭香が出てきます。
保存されていた年月を感じさせない非常にクリアな美味しさが続きます。
こちらも煎持ちはかなり良く、飲み手がギブアップしたような感じ。
20煎以上は続けたところで止めてしまいましたが、もう少し続いたと思います。
柔らかい綺麗な葉底です。
白毫があるのが確認できる、思っていたよりも若い葉で構成されています。
肉厚でふっくらといった感じの茶葉は10年以上熟成していたとは思えない感じ。
茎の部分も本当に柔らかく、おそらく春にちゃんと摘み取られた茶葉を使っていると思います。
素直に良い状態で育っているんだなとしみじみ。
このお茶もまだまだ熟成途中です。
少しずつ楽しみながらあと10年はかかるかな?と思います。
乙級もそうですが、保存用と飲む用と確保しました。
20年を越えると何十万円もしてしまうような老餅の中では
(もちろん質が良く、保存状態も良いのに限りますが)
普通に入手できる最後の年代じゃないかなと思います。
※参考資料
普洱藏茶 呉徳亮著 聯経出版事業股份有限公司
深邃的七子世界 陳智同著 五行圖書出版有限公司