メーカーさんIから購入した岩茶の百年老枞水仙(老叢水仙)です。
2012年のもので、これ以上の老枞水仙にはなかなか出会えないだろうなという素晴らしいレベル。
160年を超える樹齢の茶樹から作られているそうです。
当然ながら胃に痛みを感じる様なお値段でしたが、今年は岩茶の当たり年ということもあり
例年よりも素晴らしい仕上がりになっていました。
このレベルは急いで楽しむ必要もなく、ゆっくり何年もかけて楽しめるので入手しました。
当然ですが鑑定杯は使いません。
見事な茶葉です。
黒褐色と赤褐色が混ざった色彩で、葉も大きく均一です。
砕けも見られず、甘い爽やかな香りが立ち上ってきます。
細やかでしっかりとした艶が全体を覆っていて、良く見ると白亳が葉全体にあるのが分かります。
透明度が非常に高い褐色の水色で、亮度もかなりあります。
上品な花の香りと落ち着きのある甘い火の香りが感じられます。
甘さとこの香りが分厚い旨味と一体となって、口の中で広がり、静かな凄みというか奥深さが凄いです。
この味と香りが非常に複雑で、老叢の底力を感じる様な
底知れない旨味を感じます。
回甘も強く、喉を過ぎてからの余韻が長くしっかり続きます。
これは凄いし、美味しい。
煎を重ねていっても味や香りが少なくなるどころか、どんどん変化していくのが分かります。
5煎あたりから果香も感じられるようにもなります。
甘さが増し、柔らかい微かな酸味も出てきて、旨味に深みが増していきます。
火も強すぎず弱すぎず、いつも思うのですが、ここの製茶師さんは火の使い方が上手いです。
どんどん、香りはより華やかに、味は旨味が増してくるような感じで
一定レベル以上の正岩茶にしかない力を持っているお茶です。
この美味しさとその変化を一度知ってしまうと戻れないのかも。(^^;
当然のように美しい葉底です。
適度な柔らかさと肉厚な葉で、艶もあり砕けも殆どありません。
葉にそのまま戻るような、非常に美しい葉底です。
老葉も混じっていないようで、全体的に適度に若い葉を使っているのが分かります。
老叢水仙って静かな凄さを持つんだなと実感できる岩茶でした。