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This article was written on 08 9月 2014, and is filled under delicious teas, 中華人民共和国, 福建省, 紅茶 Black Tea.

百年老枞红茶

中国の作り手さんDの百年老枞红茶(百年老欉紅茶)です。
正山小種で有名な福建省武夷山市の桐木のものです。

紅茶ブームの先駆けとなったとも言える金駿眉も一段落して
その後も銀駿眉や妃子笑といった紅茶も出てきて
ここ最近は野生紅茶が中国の野生茶ブームもあってか聞くようになったなぁと思っていたら
今度は百年老枞です。(^^;

そもそも桐木の保護地区の中で作っている場合は
わざと無肥料にしている作り手さんも少なくないので野生紅茶と名乗っているのだと思いますが
(日本の野生とそのあたりの考え方は違う様です。無肥料・無農薬・放置が野生)
百年老枞って、保護地区内の茶畑(という感じには見えないんですが。むしろ藪。)の茶樹って
かなりの勢いでみんな樹齢100年超えているんですよね・・・
むしろ今更感が。(^^;

とはいえ、この地域の紅茶を作っている人たちがブランド化したいという気持ちはよく分かります。
実際に行ってみると分かるのですが、桐木の山奥(本当にすごい山奥・・・)で
山間のちょっとした少ない場所で作っている紅茶の量というのは
どう考えても大した量にはならない訳なのですが
世の中にはなんと沢山の桐木紅茶が溢れていることかと。
日本の魚沼産コシヒカリと同じです。
外部から茶葉を持ち込んで桐木で仕上げというのはまだ良い方で
実際に流通している桐木紅茶の殆どは桐木産じゃないんですよね。
そもそもお手頃価格のお茶はまず存在しない正岩茶と同じで
差別化していきたいと本拠地の方が思うのは自然なことだと思います。

で、こちらは今年作った新しい紅茶だよということでいただきました。
サンプルといっても、ゆうに150gとかあったりしますが。(笑

甘く綺麗な花香のする茶葉です。
黒褐色の茶葉に若干金毫が混じっています。
きつい縒りで、艶やか。大きさも比較的そろっています。
砕けも少ないようです。

鑑定杯の使用は行っていません。そういうレベルでは既に無いので・・・

褐色の透明な水色です。透明度がとても高く、亮度も素晴らしく高いので
宝石系茶水と名付けたいような美しさを持っています。
香りは見事な花香。ここまで清らかで品のある、高い花香も珍しいです。凄い。
まるで花粉を集めているかのような香りです。
味わいは爽やかな甘さ、微かな柔らかい酸味が絶妙で
ミネラル感と底の知れない滋味が合わさって鳥肌が立つほどに美味しい。
さすがと思わせる、思うわず唸ってしまうような凄い紅茶です。

香りの持久性もかなり高く、ずっと同じ感じで続いています。
煎持ちも良く、ずっとゆるゆると続いていく感じです。
しかも香りは徐々に弱まるものの、かなりそのまま続きます。

これまでにないほど弾力のある葉底です。
くたくたという訳ではなく、発酵している分、それなりの硬さを持ちながら適度に柔らかく、
といっても相当に柔らかい方ではあります。
揉切されている部分はありますが、砕けといった感じのものはなく
大きさも殆ど均一。
肉厚でもなく、貧弱でもなく、適度な厚みがあります。
芯の部分も確認でき、嫩度は結構高いです。
葉底も艶やか、この弾力には驚かされました。

正直、本物(と、あえて言います)の桐木の紅茶は
例え卸値でも、自分用にと思っていても、お茶に関しては金銭感覚がおかしい私でさえも(笑)
尻込みするような価格になっているのが現実で、ここ1年は見送っていました。
桐木の保護地区外のものであれば手頃なのですが、味わいが全然違うんですね。
それと農薬や肥料の使用も含めて環境も全然違います。

この紅茶をいただいた際、そんな事情もあったのでショップ入荷は全く考えずに
「ありがと~」程度な気持ちだったのですが・・・これは美味しいです。
とても懇意にしてくれる作り手さんなので
自家用なども含めて、まだ同じものがあるか確認してみようと思います。(笑

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