福建の茶業さんBの祥華正枞铁观音(祥華正欉鉄観音)です。
1988年の老茶を2回分ほどいただきました。
いつも貴重な老茶を惜しげもなく下さったりして感謝です。
(自分用しか買わないのに・・・^^;)
黒褐色の艶やかな葉底です。
茶葉がかなり小さいのは、おそらく何度も火入れを行いながら熟成させてきたためで
とはいえ、意外と大きさは均一になっています。
茎が確認できるのは、元々老茶にする目的だったのだと思います。
ここは炭火焙煎しかしないのですが、それが分かるような火の香りが感じられます。
深みのある褐色で透明な水色です。亮度が素晴らしく良く出ています。
香りはむせ返るような品格のある花香。
落ち着きのある甘い花香が見事です。
それと薬香。鉄観音のかなり古い老茶特有です。
杯底香が素晴らしく、見事な甘い花の香りで、しばらくうっとりできる程。(^^
香りだけでしばらく語れそうな勢いです。
味わいは心地の良い酸味、微かな収斂味。
そこに深みのある、どっしりとした甘味があって、非常にバランスよく美味。
独特の清涼感に通じるようなミネラル感もあって複雑です。
何というか、この奥の深さは大人の鉄観音だなぁと思うような感じです。
酸味と収斂味がとても心地よいんですね。このお茶。
甘い、優しい、口に含んですぐに美味しいと思うような
浅い味わいのお茶ばかり飲んでいると気が付かないような美味しさという感じ。
いや~美味しい。
飲み干した茶杯から花香がぐっと香ってくるのも凄いですね。
煎持ちもとても良く、半日以上ずっと楽しめました。
良いお茶というのは老茶になると本当に飛躍的に煎持ちが良くなるように思います。
老茶というからには、それなりに火入れを繰り返されてきている筈なのに
ぎょっとするほど柔らかく弾力のある葉底です。
(火入れを繰り返すと通常は硬くなっていきます)
鉄観音の製法上の理由もあって、葉の形そのままという状態のものはありませんが
柔らかさと肉厚さ、弾力が凄いです。
しっかりと艶やかで、10煎以上は楽しんだというのに
香りがまだまだですよ状態にも驚きます。
鉄観音はどうしてもざらつき感のあるお茶になるのですが
(製法上仕方がない)
上手く老茶にできると、このざらつき感が無くなって
逆に味わいの奥行のように変化していくように思います。
もちろん、元々のポテンシャルの低い鉄観音は老茶にしたところで
ざらつき感が消えるどころかエグさに変ってしまったりとかあるのですが・・・