中国の作り手さんAの九曲红梅(九曲紅梅)です。
经典とあるのは伝統的な品種、製法を守って作られているものということで
大湖山の茶葉を使い、全て手作業で機械を使っていないそうです。凄い。
この作り手さんは九曲红梅では非常に有名な方で
「作り手さん」なんてお呼びするのは失礼な感じです。
周囲の方に老師と呼ばれていましたから、先生というのが相応しいですよね。(^^;
浙江省で生まれ育ったという親友の老師でご紹介いただきました。
ありがとうございます。
そういえばこのブログでは九曲紅梅をご紹介していなかったことに気が付きました。
ということで改めて概要を。
九曲紅梅は中国浙江省で作られる紅茶です。
杭州郊外の湖埠、上堡、大岭(大嶺)、灵山(靈山)、仁桥(仁橋)
大坞山(大塢山)といった地域で作られています。
中でも湖埠の大湖山が最も良い産地とされています。
福建省北部の武夷山付近から太平天国の乱の混乱を避けて湖埠へ移住してきた人々が
作り出した紅茶とも言われています。
九曲红梅の九曲は武夷山にある九曲溪から名づけられたものとか。
龍井茶で有名な杭州ですが、かつてはこの紅茶も銘茶と名高く
一红一绿(一红一緑)と呼ばれていました。
近年の紅茶ブームで盛り返してきてはいるものの
龍井茶に押されてかなり下火になってしまった紅茶です。
伝統的な茶樹品種は在来の鸠坑小叶种(鳩坑小葉種)と呼ばれるものですが
実際には様々な品種が使われています。
よく龍井茶の品種が使われていると言われますが、必ずしもそうとは限らないようです。
伝統的な製法は18工程にも分かれているそうです。
この九曲红梅はその鳩坑小葉種から作られています。
黒褐色の縒りの強い茶葉です。
金毫がちらほら確認できます。
艶がしっかりあり、大きさは比較的均一で砕けも無いようです。
甘い繊細な香りがあります。
綺麗な高い糖蜜香があります。少し清涼感のあるような繊細で綺麗な香りです。
透明度の高い赤褐色の水色で亮度もよく出ています。
爽やかな甘さと分厚い滋味のような旨みを感じます。
渋みや雑味は一切無く、微かな酸味と合わさって複雑な美味しさになっているようです。
回甘もあり、若干粘性のある茶水は余韻がしっかりあります。
美味しい。
香りの持久性もしっかりあります。
黄金色の綺麗な水色です。
透明度も亮度も文句なしに素晴らしい。
鑑定杯で糖蜜香のように感じた香りは清らかな花果香になっています。
分厚い旨みがしっかり感じられる様な滋味と爽やかな甘味が
繊細なバランスでまとまっているのは流石。
綺麗な葉底です。
肉厚ではありますが、柔らかくて弾力がしっかりあります。
葉の大きさも小さめで揃っていて嫩度もあります。
この葉の繊細さは緻密な工芸品を見ているような、そんな印象を持ちました。
美しいです。
余談ですが、名前から梅の香りがすると言われることがあるようですが
(日本でしか聞いたこと無いけど)
実際には梅のように赤い茶水から命名されているようです。