茶農家さんEの老枞水仙(老叢水仙)です。
2000年のもので、非常にしっかりしていたため昨年秋まで後熟成させていたもの。
樹齢130年の茶樹から詰まれた葉で作られています。
黒褐色に褐色が混じった茶葉です。
落ち着いた艶もあり、しっかり火入れされているようです。
緩い縒りで茶葉の大きさは比較的均一。
砕けも少ないようで、火入れの割りにはかなり少ない方だと思います。
火の香りと若干花の香りが感じられます。
あまり鑑定杯を使うレベルのものではありませんが
確認したいことなどもあり、使用しました。
かなり濃い褐色の水色です。火入れがしっかりされているのが分かります。
透明度。亮度共に高いです。
香りはほっこりとした火の香りと花が強い花果香があります。
高さもあり、持久性も良いようです。
甘みとミネラル感のある分厚い旨み、柔らかい酸味があります。
火入れの強さの割りには収斂味は微々たる程度しか感じません。
非常に厚みのある味わいで、回甘が強く出ています。
2煎目になると濃い褐色から褐色へ水色が変わります。
香りもより高く、華やかさが増して
酸味と甘み、旨みのバランスが非常に良い感じで出ています。
終始落ち着いた感があるのと
ミネラル感のある複雑な旨みが強いのは老叢水仙らしい感じです。
とりわけ回甘が非常に強く、深みのある甘さがしっかり戻ってきます。
琥珀色の美しい水色です。
透明度、亮度共にしっかりあります。特に亮度が高く出ています。
ミネラル感のある旨みと深みのある甘さ、微かな酸味で
複雑な味わいながら、落ち着きを持ってバランスよくまとまっているのは
老叢水仙ならではといった感じ。
火入れも相当にしっかりされている筈ですが、強さを感じさせないのは
この茶師さんの技術なのだと思います。
上品で落ち着きのある甘い花の香りも高くでています。
美味しい老叢水仙です。
煎持ちも申し分なく良く、最近はこんな感じのしっかり作られた岩茶が
少なくなったなぁなんて思いながらガブガブ飲んでいました。
火入れがしっかりしているのに葉の形が殆どそのまま残っています。
ちょっと驚きです。
火入れの強さから来る硬さはあるものの
肉厚で弾力があり全体的に柔らかい綺麗な葉底です。