北京の行きつけのお店で購入した岩茶の水仙です。
重焙火とあるのは焙煎が強いので。
水仙とは茶樹品種の名称で、武夷山で産出されるものは
武夷水仙とか闽北水仙などと呼ばれます。
元々武夷山にあった品種ではなく、福建省建阳(建陽)の小湖乡(小湖郷)大湖村の
严义山(厳義山)祝仙洞を原産とする品種を武夷山に移植したものです。
といっても清朝の道光年間(1800年代)の話ですので
武夷山に移植されてからかなりの歴史があります。
重焙火という割には色が濃くない茶葉です。
焙煎が重いと聞くと真っ黒の茶葉を連想しますが
これはこげ茶がベースの茶色のグラデーションになっていて
わずかに緑っぽい部分も確認できます。
ほんのわずかですけど。
水色も思ったより明るい褐色です。
1煎目の方が濃い茶色です。
焙煎香と花果香を感じることができます。
味は強めの酸味と甘み、ごく僅かな苦味があります。バランスが良いです。
2煎目はかなり焙煎香が薄くなって花の香りが目立ってきます。
酸味が柔らかくなってきて甘みとのバランスが更にいい感じに。
爽やかな美味しい岩茶です。
鑑定杯淹れしていますが、そのまま美味しくいただけてしまいます。
水色は綺麗なオレンジ色です。
甘さと微かに感じる酸味のバランスが非常に良いです。
爽やかだけど、しっとりと甘いお茶ってそうそう無いかも。
香りは甘い花果香です。
言う程に焙煎は強くないのではないかと思います。
緑がかっている葉もありますし、そんなに濃い色の葉底ではありません。
葉は非常に柔らかくて、元の形もそのまま残っているものが殆どです。
重焙火というほど、焙煎が強く感じることはありませんでした。
大陸の軽焙煎の流行は知っていましたが
もしかしてこのレベルを重焙火と呼ぶほどに軽焙煎が定着しているのでしょうか・・・?
とても美味しい水仙でした。(^^