浙江省金华市(金華市)出身の親友茶商のお母様が毎年作るお茶です。
普段は人が立ち入らない山の中に自生している野生茶樹から作るお茶で
一応茶業を営む一族ではあるものの
お母様が普段料理などに使っている中華鍋で作るという
まさに土着のお茶というか、その地元のお茶です。
殆ど素人といって良いお母様が製茶するものの、本当の野生茶樹の持つ力なのか
ロットによっては爆点だらけだったりもするのですが
どれも優しく染み込むような甘いお茶に仕上がっていて不思議です。
毎年みんなで楽しみにしているお茶の筆頭になっています。
去年はうっかりお願いするのを忘れていて、私の取り分が無くなっていたのですが(^^;
今年はしっかりお願いして無事にいただいてきました。
深緑を基調に黄褐色、白毫が混じった外観です。
爆点も若干見られます。
細いきつい縒りですが、大きさも含めて均一とは言えません。
まぁお母様手作りですし。(笑
甘い花香が微かに感じられます。
使う意味を見いだせないので鑑定杯は使用していません。
薄い金色の水色です。透明度も亮度もなかなか高いです。
香りは微かな花香と豆香。とはいえ、殆ど感じません。
野生茶ならではの感じです。
というのも品種改良された茶樹品種と違って、本当の野生茶の多くは香りはかなり控え目。
このあたりは私の中で本当の野生茶樹なのか、単に手をかけていない栽培茶樹なのか
あるいは元栽培茶樹なのかどうかといった判断基準の1つになっています。
ただし、本当の野生茶樹に共通しているのは特有の甘さとミネラル感。
このお茶にもしっかりとあります。
もちろん地域によっても異なるのですが、ある意味で共通する感覚を感じることが多いです。
口に含むとその甘く、他のお茶には本当に感じることができないミネラル感が
余韻の長さも含めてずっと残ります。
主張しすぎず、かといって控え目すぎることもなく感じられます。
いや、美味しい。(^^
若草色の葉底です。
一芯~一芯二葉で摘み取り取られています。
発酵がそれなりに進んでいるのは下山途中に勝手に進んでしまうとか。
茶摘みができる場所まで行くのも大変なんだそうです。
非常に柔らかくて弾力があり、製茶技術がどうのというよりも
本当に素直に美味しいお茶なんだなと思えるような素朴な葉底です。
今年もお母様のお茶が楽しめることに感謝。(^^