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This article was written on 07 5月 2013, and is filled under delicious teas, 中華人民共和国, 浙江省, 緑茶 Green Tea.

金华 野生茶

浙江省金华市(金華市)の友人のお母さんが作ったお茶です。
名前のない炒青緑茶ですが
普段は人が立ち入らない山に生えている野生茶樹から作られているので
何となくみんな野生茶と呼ぶようになったようです。

このお母さん、別に茶業さんじゃないのですが
(親戚はお茶農家さんで、一族みんな何かしらお茶の仕事はしていますが)
この地域の女性は自分の家のお茶は主婦が作るものらしく
年間行事の1つとして、春になると製茶を行うそうです。

普通は自分の家が所有する畑の端にあったりする茶樹から摘むのですが
お母さん、こっちの方が美味しいからと、
あまりの急傾斜で人が立ち寄らない付近の山に登って
そこに自生する野生茶樹から茶葉を摘みながら山を回っているそうです。
何箇所か野生茶樹が生えている場所があって
お母さんしか知らない場所なんだとか。
日本の松茸みたいなものでしょうか・・・?(^^;
知り合いに譲っていたのですが、あまりに美味しく今ではリクエストが来るそうで
もう年だし、急傾斜を上り下りするのも辛いので止めたいけど
みんなに頼まれるから止められない状態になっているそうです。
なので、代金はそれなりにしますが、お母さんのお小遣いという名の苦労代・・・(^^;

ちなみにお母さん、何度かお会いしたことがあるのですが
いつもニコニコ元気な方で、お会いするなり
「おー、日本人のお友達ね!これ美味しいわよ、食べなさい!これも!」
と何かしら地元の特産物を持たせてくれる方です。(しかも大量)
特にお庭で取れるトチノミが美味しくて、私も大量に食べていましたw
本当に元気で、いつも聞き取れない位のマシンガントーク。
何だかとっても可愛らしい方で、大好きです。(^^

深緑に黄緑が混ざったような色彩の茶葉です。白毫が確認できます。
大きさは比較的揃っています。砕けもみかけません。
若干、火が強かったのか爆点かそれに近いものがあります。
嫩度は高いです。
何とも甘い香りを強く感じます。


鑑定杯使用

薄い黄色の透明な茶水です。
亮度もしっかりあります。
甘い蜜のような花の香りがありますが弱いです。持久性もまあまあ。
味は深みのある甘さで素直な旨みがあります。
何というか非常に綺麗な味で驚きました。
人工的に意図して作られたのではない甘さと美味しさで
茶樹本来の味というのはこういうものかと思わせます。
苦味や渋み、雑味は感じません。
味は抜群に美味しいです。凄いなぁ。お母さん。


蓋碗使用

薄い金色の透明な水色です。亮度もしっかりあります。
花の香りと豆のほっこりした香りがあります。若干香りは弱いです。
やっぱり甘さがとても良く出ています。美味しい。
自然なというか、身体にすっと入ってくるような優しい甘さで
旨みもしっかりあるのですが、
製品化されているお茶には無いような、とても優しい美味しさです。
しかも回甘も非常に強く、余韻が楽しめます。

一芯二~三葉で摘み取られているようです。
丁寧に摘んでいるのが伝わってくるような綺麗な葉底です。
柔らかくて弾力があります。
大きさは若干不均一です。
山で茶葉を摘んで家まで戻る間が自然と攤放になっているのだと思います。
若干醗酵が始まっている部分も確認できます。

ちなみに今回見せていただいたお茶は
毎日作るロット毎に状態が違っていたのですが
これは中でも一番出来の良い状態のものです。
中には爆点炸裂なものもありました。(笑

製茶技術はプロのものにはかないませんが
完全に無農薬、しかも無肥料というのが、このお茶の美味しさを作っていると思います。
それとお母さんの愛情でしょうか。
とてもよいお茶だと思います。(^^
びっくりするような甘さがあって、
しかもプロが作るお茶には無い柔らかい強さと質を持っています。
お茶って本来こういうものだったのかもと改めて考えさせられるお茶でした。

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