福鼎市瑞祥龙茶业(福鼎市瑞祥龍茶業)の福鼎白茶です。
白牡丹の陳年老白茶で餅茶の形状になっています。
2011年4月16日の製造とあります。
日本などで中国茶を習うと
白茶は白毫銀針が最上質で白牡丹、寿眉と続くように言われているのですが
間違ってはいないけど補足は必要かな?という感じです。
というのも白毫銀針よりも上質で価格の高い白牡丹もあれば寿眉もあります。
白毫銀針だから良いものという訳ではないんですね・・・
なので実際に現地の価格を見て
ええ?白牡丹なのにこんなにするの?
とか
何で寿眉がこんなにするの?
と、びっくりしたりします。(私も以前はそうでした;)
実際は使用する茶葉の品種や部位によって分けられているだけと思った方が良いのですが
品種に限っては現状を見る限り微妙です。
というのも白毫銀針でも福鼎大白茶種や政和大白茶種以外が使用されていますし
白牡丹も同様。
実際には白茶用の品種を使っていれば名乗れるようです。
なので確認はしていませんが、どうやら最近作出された品種も含めて
白茶用の品種を使っていて、かつ芯のみが白毫銀針、葉も使えば白牡丹
それ以外の品種を使っていれば寿眉といっているように思います。
で、味わいはどうかというと、これも好みになりますが
芯のみの白毫銀針より白牡丹の方が美味しいものが多いような。
やっぱり使用部位が広いので、その分味に深みをつけやすいようです。
また、部位の比率を変えることで、本当に美味しい味わい深いものも
白牡丹や寿眉には多いです。
近年になってからですが白茶も黒茶と同様、寝かしておくことで
味わいが丸く美味しくなるということが知られてきました。
ということで流行しはじめたのが陳年白茶。
確かに出来たての白茶より、何年かおいた白茶の方が丸くて美味しいんですね。
そんな流れで当然ながら出てきたのが保管に便利な餅茶の白茶ですが
これは固形にする際に蒸すという工程が入るため
散茶の白茶よりも味わいが深く、柔らかく熟成される傾向があります。
なので白茶で一番良いと言われているのが
餅茶などの固形茶にした陳年白茶です。
この日はちょっと特別な日だったので、秘蔵の陳年白茶を崩すことにしました。(^^
(え?というお値段の餅茶だったんですね・・・美味しいから購入したのですが)
福鼎市の点头镇(点頭鎮)柏柳村で作られています。
この村、白茶の発祥地として「中国白茶第一村」なんて呼ばれていたりします。
白茶の他にもジャスミン茶や玖瑰花茶の花なども産出している地域でもあります。
使用品種は昔ながらの福鼎大白茶種のみです。
オーソドックスな餅茶の形状だなと思いきや、ちょっと形状が雲南の餅茶とは違う感じです。
端の部分の処理とか細かい部分のディティールなのですが
これは白茶だからというより、使っている機械が若干違うような。
面白いことに内飛はあるようです。(隠れているけど)
白毫の多い艶のある餅面です。里面(内部)も同じ茶葉を使用しています。
緊圧はしっかりしているようですが、端の部分にもろい部分があったりもします。
これは年月経過によるものか、最初からだったのかは不明です。
芯の多い白牡丹のようで白毫のボリュームが凄いです。
褐色の茶葉と白毫で見事なマーブル模様になっています。
葉の大きさは普通といった感じ。見たところ大きさは揃っているようです。
鑑定杯の使用はしていません。
金色の綺麗な水色です。透明で亮度も高く、琥珀のような水色です。
見事な花の香り、玖瑰香があります。
まるで可憐なバラのような感じで白牡丹とは思えない感じ。
味わいは深みのある爽やかな甘さと柔らかい綺麗な酸味のバランスが良く
複雑で奥行きのある美味しさ。
旨みとも言える滋味がしっかりあって、余韻も長く、これは美味しいです。
購入時に試飲した2年前より美味しくなっていますね。
醗酵度合いは白茶にしてはしっかり目だと思います。
白茶は微醗酵茶とも呼ばれますが、実際にはその醗酵度合いはバラバラ。
輸出向けのものは紅茶に近いほど醗酵させているものもありますし
クライアントの要望に合わせて変えているというのが現状です。
最後の感想工程で実質的な殺青を行うことになるのですが
このタイミングを仕上げ具合によって変えています。
欧州を中心とした輸出、中国国内でも華北、東北向けは醗酵が強めで
華南、西南、東南アジア向けは醗酵が弱めの傾向があるようですが
クライアントの要望次第の部分もあるので一概には言えないようです。
煎を進めても玖瑰香が続いています。
いやー凄い。ここまでの白牡丹ははじめてかもという位に美味しいです。
もっと買い込んでおけば良かったかもと今更後悔したりして。(^^;
煎持ちの良さも凄いです。
かなり長く続いて、白茶なのに10煎以上も。
固形茶にする際の「蒸し」工程が関係しているのでしょうか?
散茶に比べてもダントツの煎持ちの良さですね。
葉底からも玖瑰香があります。
ふっくらと肥えた芽と柔らかい肉厚の葉で構成されています。
固形茶を崩す際に崩れた部分以外は砕けも殆どないようで
とても美しい葉底です。
柔らかくて弾力があり、色合いから見ても醗酵は強めのようです。
嫩度も高め。
白茶がここまで美味しいというのが改めて実感できるような
良い白牡丹でした。(^^