C老師からいただいた陳皮 六堡茶です。
六堡茶に陳皮を混ぜています。
黒茶である六堡茶は時間が経過したものほど
熟成が進んで美味しくなるという性質を持っていますが
実は陳皮も同様。
陳皮というと日本ではミカンの皮を乾燥させた中華食材or漢方薬として知られていますが
厳密にはミカンではなく、橘子と呼ばれる日本で言うところのマンダリンオレンジが原料です。
この陳皮も新しいものではなく、時間が経過したものほど上質とされるそうです。
中国国内でも有名な黒茶コレクター・鑑定者として知られるC老師が
わざわざ勉強になるから飲んでみなさいと下さった六堡茶ですから
単に陳皮と混ぜただけという代物ではありません。(笑
1998年、16年前の陳年六堡茶に10年前の陳皮を混ぜているそうです。
なんと贅沢な。(^^;
黒褐色の六堡茶に桂花のように細かくした陳皮が混ぜられています。
写真では難しいと思いますが、ベースの六堡茶はどうやら金花系のものらしく
ちらほらと金花が確認できます。
落ち着きのある艶が確認できる茶葉で、大きさも比較的均一です。
とても貴重なお茶ですので鑑定杯は使用していません。
赤褐色の透明な水色です。
陳皮が混ぜられていてもとても高い透明度と亮度を保っています。
これってなかなかちょっと凄いです。
普通は少しは亮度なり透明度なりが下がるんですけどね・・・
まるでピジョンブラッドのような色合いと艶です。
香りは清らかな棗香と荷香、もちろん陳香もありますが、綺麗です。
味わいはちょっとびっくりするほどに甘い。
口に含んだ瞬間に予想外の深みのある圧倒的な甘さに驚きます。
遅れて微かな酸味が感じられます。
とても上品な酸味で、きっとこれは陳皮から。
柔らかく複雑なミネラル感もかなり突出していて
甘いだけでなく分厚く複雑な美味しさ。
それでいて全体的にこの上なく清らかなのは
陳皮自体の品質の良さと配方の塩梅なんでしょうね。
黙って出されたら六堡茶とは思えないと思います。
その位に洗練されています。凄いなぁ。
当然ながら煎持ちは良いです。
六堡茶はもちろんですが、陳皮の爽やかさも失われずにずっとあります。
まるで山菜の煮つけのように柔らかい葉底です。
この手の黒茶の葉底がここまで柔らかく弾力があるというのは
かなり珍しいと思います。
しかもかなりの時間が経過しているというのに・・・
後発酵していることもあって、葉の形状には戻りませんが
肉厚で柔らかい葉が使われているのが分かります。
とても丁寧に製茶されているのが伝わってくるかのような葉底で
大きさもほぼ均一、変な砕け方をしているものもなく美しいです。
こういった丁寧な製茶をされたお茶というのは本当に少なくなりました。