青玉堂の青花寿字蓋碗です。
基本的にはずっと以前に購入した青花の蓋碗か
白磁のシンプルな蓋碗を使用しているのですが
そろそろ何か新しい青花の蓋碗が欲しいなぁと思って購入してきました。
青玉堂は景徳鎮では有名なメーカーさんで
飛びぬけて高額にもならず、でもちゃんと品質は良いです。
とはいえ、近年の景徳鎮の価格上昇っぷりは凄まじく
以前購入した普段使いに使用している青花の蓋碗は今や当時の3倍以上の価格なんだとか。
ちなみに紫砂茶壷なども同様で、多分日本人が思っているよりも全然高額です。
国内で一般的に販売されている「お手頃な」製品は輸出用に製造されているもので
特に紫砂製品はろくろが使える様な柔らかい土だったりします。
(実際、ろくろ製品が多いようです)
こういった柔らかい土で作った茶器はいつまで経ってもお茶の美味しさや香りを
土が吸収していってしまいますので、正直、使う利点が見出せません。
美味しくお茶を淹れる道具としては、陶磁器の茶器の方がよほど安定してはいります。
中途半端なレベルの紫砂茶器を使うのであれば、ビジュアル重視ではない限り
安い陶磁器の方が断然おすすめです。
健康上といった意味でも安価な紫砂茶壷は使わない方が良い気がします。(^^;
話がそれてしまいましたが、陶磁器の蓋碗にも実は美味しく入る・入らないがあります。
釉薬でコーティングされていますので
お茶の味わいや香りを吸いこんでしまうというのではありませんが
おそらく蓄熱性とか熱伝導が関係しているのだと思います。
分かりやすいのは台湾の陶磁器。
価格の高い安いに限らず、ベストショットなお茶が淹れられないものが多いです。
景徳鎮などの陶磁器に比べると台湾の土はちょっとぼってりした感じのものが多く
おそらく土に含まれるカオリンの含有量に関係しているのだろうと思います。
景徳鎮などの中国の土の場合、硬度が高く、熱伝導も良いように思います。
その分、適度に放熱するのですが、台湾の場合は蓄熱したままの時間が長く
場合によっては熱湯を手にかけても平気な私でさえも持てない状態になったり。(^^;
とはいえ、台湾でも場所によって土も違うでしょうし
中国などから土を輸入している作家さんも多いので、全てではありません。念のため。
そういった意味で、やっぱり景徳鎮の一定レベルより上の陶磁器は
ベストショットを出せるものが多いように思います。
やっぱりこういうところが歴史的にも長く残る所以なのかなぁとも思うのですが。
欠点はデザインがコテコテなものが多いことでしょうか?(笑
好みではないので探すとなると大変です・・・
で、久しぶりに気に入ったこの蓋碗。
手描きの青花で、たまにはこういったものもいいかな?という感覚で選びました。
ちょっと大振りで蓋の部分が盛り上がっているので使いにくいことを期待していたのですが
意外と使いやすいので嬉しいような残念なような・・・
いや、自分にとって使いやすい茶器ばかり使っていると茶器の扱いが退化してしまうんですよね;
縁の部分が上手く薄くなっていて、お茶を出す際のコントロールがしやすいです。
安定しにくいと思っていた蓋も、その縁の厚さが絶妙で
きちんと固定しやすくなっています。
今回は中国の茶業をしている親友に「何か青花か粉彩の蓋碗探して」と頼んだのですが
あなたの茶器の選び方は細かいから本当に大変なんだ!と文句を言われつつ
でもしっかり何個か取り寄せてくれて選ばせてくれました。感謝。
多分この蓋碗も本当はもっと激烈なお値段なのでしょうけど(笑)
いつも安くしてくれて感謝です。